あたたかな繭とはだいろの輪廻

 
毎晩なめらかな毛布にお別れを告げる、さよなら、明日の夜、あなたに触れるのは違うからだなのよ、今日はこいびとに会わなかったけど、新品のキャミソールを着た、一日たりとてわたし、まるごとおなじ日なんてないの、ひととはそういう生き物なの、時間や、重力と、共存している。

ぼくのものだとこいびとは言うし、あなたにあげるとわたしは言うけれど、このからだ、髪の一本もわたしのものではないので、ほんとうは受け渡すこともできないのだった。愛を確かめる方法なんか腐るほどあると思っていたティーンのわたしには言えない、そんな、すかすかの囁きだけが、愛を殺さないための栄養なんだって。

持ち主がいるとすればウチュウとかチキュウとかカミサマとか呼ぶのかな、それだって誰のものかわからないのだしみんなみんなきっと水みたいに散らばっていくんだろう、似ていないのは、やっぱりあの毛布だけだ、から、十五日にいっぺん、わたしは素っ裸でねむる。





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