名前のない猫、名前のない木


蹲る猫の夢を見た
ことを誰にも話さない
ぬいぐるみでも
そうでなくても
猫には名前をつけたことがない
クーは犬で
耳の垂れたぬいぐるみで
もう年老いて
からだが薄くなっている
わたしの犬でないクー
わたしと眠ったことのないクー
夢に出てきたことのないクー


きみが木を植える夢を見た
赤い実のなる木だった
ことを誰にも話せない
小さな木の根元に
蹲るわたしの猫
わたしかもしれない猫








生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。