けんこうこつは深海でひかる

 
わたし、天使でないし、魚でもなかった。
 
 
とべなくてごめんなさい、
を、
ゆるしてもらえたら、
およげなくてごめんなさい、
を、
ゆるしてもらわなければいけない
 
ゆるされないような気がした夜は決まって
深い深い海にしずんでいく夢をみる
魚たちはみんなその目をひからせて
わたしのからだの暗さと
その重たさをうかがうので
あの日の教室をおもいだして
ぎゅっと目をとじた
からだのちからを抜くことにする
わたし本棚のある部屋で
ねむっただけのはずだもの
おいしそうな名前の作家の
小説がころげおちる音で
魚たちははっとしたように目をそらし
ただおよぐふりをする
わたしにも
たべものの名前をつければよかった
 
とべなくてごめんなさい、
に、
きれいな脚ね、とこたえたい、
およげなくてごめんなさい、
に、
すてきな歌ね、とこたえたい、
 
 
わたしたち、天使でないし、魚でもない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。