0214℃のチョコレートで乾杯しよう

 
くだらないニュースばかりが流れている、君といないあいだ最近はずっと、常に薄っすら何かが気に食わなくて疲れてしまうような気がするね、
でもね、ちゃんと怒っていないとわたしはわたしの形を忘れてしまうような気もするから、良いことにしています。
おだやかでいてね、おだやかでいたいね、でも常におだやかでいられるような性分だったら詩なんか書いてないよね。
 
 
優しいねと言われるたびにわたしは優しいのではなく正しいのですよ、正しくない自分を許せないだけなんですよと言いたくなる、
正しさなんて曖昧で自分勝手なもの、生きていくにはなんの役にも立たないみたいなのにね。

 
 
食卓をひっくり返せない代わりに世界をひっくり返してみたり、怒鳴れない代わりに詩を書いてみたり、殴れない代わりに歌ってみたりしている。
自分のどうしようもない暴力性を思い知るたびに、お腹の中の獣が空腹を唸るたびに、自分を嫌わないように世界に嫌いなものを増やしていく遊び、
ひとりでするのには長過ぎる暇を短過ぎる人生の中で持て余している、無駄な時間、
いや正確にはあなたもわたしもなにもかもすべて無駄だと思ってはいますが、どうせなら幸福なほうがいいし。
 
 
わたしの獣は欲張りがすぎるので飼い慣らすのに苦労するね、
幸福に際限がないってことは絶望にも際限がないってことでしょう、それって絶望じゃない?って、しつこく何度でも話させてほしい。
 
 
 
バレンタインにもなんにも変わらなくてごめんね、ホットチョコレートでも飲んで、せめておだやかに眠ってね。
 






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。