死はさざなみのように


幸福は海で絶望は宇宙
孤独は魚みたいに幸福の中を泳いでいて
わたしは時折すべてを休んで
幼馴染の死神と海や星を見に行くためのドライブをする
それまであったことはみんな歌にして
死神だけがそれを聴いてくれる
死神だけがいつも
わたしに歌手になったらいいと言ってくれる
死神だけがいつも
わたしに期待して
わたしに失望もせず
わたしのそばを離れない
絶望は海で幸福は宇宙
愛情は干上がったくらげのように絶望の中から這い出る
わたしは時折すべてを捨てて
砂浜でそれをひとつずつ緩慢と拾う
死神はきれいだね、とつぶやいては
重たそうな靴底でそれを潰した



生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。