折れた体温計のエチュード

かみさまに名前をつけるのが日に日に下手になって、つめたいものはつめたいまま燃えていく。恒温動物、愛情を食べなければ体温を保っていられなくて、快晴、陽に当てたぬいぐるみのやわらかなあたたかさが気高く見える、彼らをできそこないにしたのはわたしだけれど、わたしはけしてそれを謝らない。
できそこないの方がかわいい。
ちょうどよく、必要なところだけに綿を詰めて、そんでちょうどよく、ずれていたほうがかわいい。わたしがかわいくないのは、必要なところがすこし、ずれているからで、柔軟剤、の、つくりものの花の香りが、する。
 
 
しんでいったかみさまたちのことを眠る前に思い出す、そうすると、ちゃんと夢の中で責め立ててもらえる、祭壇からおろしてもらえる。おまえがころしたのだと言ってほしい、わたしは、必死でそうではないと叫ぶ、本当のところわたしにそれほどの価値はなく、かみさまは、変温動物、わたしひとりが忘れたところで、ちゃんと体温を変えられる。
 
 
次のかみさまを見つけよう、もう凛とした名前があって、できそこないで、わたしとおなじ、恒温動物のかみさま。わたしの愛情を食べて、体温を保つ、ちょうどよくない、できそこないの、かみさま。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。