しづかに哭けよと海は言う
さみしいときはいっとうさみしいお水をのんで
からだをどんどん重たくして
お風呂にはいるみたいに自然に
海にからだをつけることにする
いっとうさみしい歌をうたう
ちいさな
さめ
が居まして
彼のうたう子守唄で
海の底でねむらなければならないので
(つまらないことに人魚でなくてよかったと思う、そのうち息がくるしくなって、わがままに海からあがるのだ、風船の空気がしゅうと抜けていくみたいに、これは仕方ないことなのだと困った顔をして、わがままに海からあがるのだ、見送るさめは、すこしも、さみしそうでない)
いっとうさみしいお水を例えば
このお腹がはじけるまで飲んだとして
いっとうさみしいお水が例えば
あの海を満たしたとして
さめは歌えなくなるのだろうか
それとも
ひと
なんかより
さみしいから歌っているのだろうか
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。