あの子のかぶるミルククラウン

 
まっしろい飲み物を飲んでいるとからだとかこころとか、そういうの、なんとなくしろくなったような気がするから、牛乳を飲むことにした、四角い箱のなかでわたしもちゃぷちゃぷ揺蕩っていたい、いらなくなったらびりびりに破いてしまえたり、平たくぎゅうっと潰してしまえるような、そういう、箱のなかで。
 
 
からだをくずしていくシリアルを抱きしめてふたりで死を待つようなそんな退廃と愛以外では濁ってしまいたくないのに、まっさらなままではいられない、一秒たりとも、まっさらなまま、あれたことなどなかったのかもしれない、ミルクにコーヒーが落ちたみたいなやわらかなブラウンなど、知らない。
 
 
ちいさな冷蔵庫をあける、ドアポケットのはじで賞味期限を待つすがたが、わたしに似ていると、思えないから。
牛乳を飲むことにした、牛乳を、飲むことにした。








生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。