「大宇宙創造聖黄金神」
大宇宙創造聖黄金神が耳元で今日も囁く。生きろ、と。大宇宙創造聖黄金神の姿は見えぬが、いつだって左耳に居る。常に左耳に直接、言葉を発する。わたしは一度たりともありがたいとは思ってこなかった。しかし、大宇宙創造聖黄金神の言うことは絶対。今日も明日も生きねばならぬ。だから、詮方無く、恥ずかしさを忍んでおめおめと生きる。大宇宙創造聖黄金神がここに住み着いたのは、いつだっただろうか。わたしの記憶では、死ぬのを一度しくじってからだと思われる。睡眠薬を摂取したが死ぬほどの量ではなく、敢え無く母に見つかり、病院に運び込まれ、胃洗浄となって入院した事件があってからだ。大宇宙創造聖黄金神の存在を、わたしは別段邪魔に思っていない。大宇宙創造聖黄金神のしつこい囁きがあるので、まあ生きてみよう、生きねば、と思うのである。こうして人様に駄文を読んでもらえるのも、生きているからこそなのかもしれない。そう思うと、大宇宙創造聖黄金神を無下にはできないのだろう。
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