「過去は変えられないけど解釈は変えられる」の話
「自分が生きる世界から嫌なことを一つもなくすってことはできると思いますか?」
「できるんじゃないかな」
私の質問に対し、老人はあっさりと答えた。人生を振り返ると、幸せな時もいっぱいあったけど、すごく辛い時だっていっぱいあった。嫌なことを一つもなくすなんて、本当にできるだろうか。
「嫌なことがあった時、どんな風に考えているかな。たとえば何か失敗してしまった時、友人とケンカしてしまった時、仕事がうまくいかない時。なんでもいい」
「ええっと。やだなーって思ってますね。うまくいかないなぁ、自分はダメだなぁとか。あるいは、もしもこうだったらよかったのに、とか」
過去を変えられたらいいのに、と思うことはよくある。違う選択肢を選んでいたら、もっとうまくいったんじゃないかとか。
「過去は変えられないけど、解釈だったら変えられるよ」
老人はアーモンドの添えられたミルクレープにフォークを入れながら言った。
「目の前に起こった出来事を全部、自分にとってポジティブに解釈してみるっていうのはどうかな?」
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