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分業時代のマンガ制作~マンガに重要な「キャラの組み合わせ」を考える

絵は描けないけどマンガ原作をしてみたい!ということで、絵の描ける人にネーム制作をお願いし、Twitter持ち込みすることを目指しています。

今日は「キャラクターづくり」のお話です。

今、ネーム化をお願いしている医療ファンタジー小説「夜の案内者」は、主な登場人物が3人しかいません。

アサ:元医者の女の子
ネズミ:巨大なネズミでアサを異世界に連れてきた
車掌:町と町を繋ぐ唯一の交通手段「列車」で乗車券をチェックしてる人

アサとネズミのビジュアルについては、最初の頃に相談し、ストーリー上、必要なビジュアルは必ず入れてもらい、そうでない身体的特徴はノイズになるのでつくらないほうが良さそうだと考えました。

残りの車掌さんのキャラクターについて、ネーム段階でどんなビジュアルにするかというのをネームを描いてくれてる人が提案してくれたんですね。

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すごい、ちゃんと仕事してそう!

ネクタイみたいな小物があったほうが、車掌感があるんじゃないか、っていう提案をもらったんです。

もっと全身隠すとこんな感じとか。

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「夜の案内者」には、もともと考えていた原作があって、長すぎて一生完結しなさそうなので短くして初長編として書き切ったという経緯があります。

おおもとの原作に出てきていたキャラクターがこの車掌さんで、原作を改めて書く時に、物語を横断するキャラにしたいなという思いがあります。

原作の設定に忠実にするとこんな感じで。マントで全身が覆われていて、マントにいろんな「お面」がついているんです。ライオンだったりロボットだったり。

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この車掌さんは極悪キャラで、殺した相手の皮でお面をつくって持っていて、それをかぶって別人になりすますという奴だったんです。ワルいんです。キャラクター名は出てこないですが「面屋(おもてや)」と言います。

「夜の案内者」では、あんまり出番がないので、ただ乗車券をチェックするくらいなんですが、キャラクターとしては不気味方向なんですね。

スターウォーズのジャワさんが見た目的にそっくりでしたね。

で、ネーム担当さんから「かわいい系にしてもいい?」という提案をいただいて出てきたのがこれ!

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かわいいじゃないか!!

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アイデンティティを忘れないために、お面を1つだけつけてくれませんかと頼んだところ、こんな感じに。めっちゃかわいい!!!初めてスマホ買ってもらった子どもみたいになってますね。

この3人の立たせ方を見てナルホドと思ったのですが、マンガ原作としてシナリオを考える場合、キャラクターの「組み合わせ」っていうのがとても大事だなと思ったのです。

「不気味」という要素は、ネズミさんが登場当初に強く役割として持っています。なので、車掌さんにはそこまでいらないんですよね。むしろコミカル方向になったおかげで、3者のバランスがよくなった気がしています。

村上春樹の小説が私はすごく好きですが、キャラクター性のある特徴ある人物と言われると、「羊男」や「耳だけがとても美しい女性」くらいしか思いつかなかったりします。

小説の場合は、キャラクター性よりもストーリーや文体を重視するものもあり、登場人物のキャラクター性が重要なのは、ジャンルとしてミステリーとかファンタジー系かなぁと思っています。

マンガの場合は「絵がある」ので、ビジュアルでも区別がつきますが、「かっこいい女子」というキャラクターが10人とか出てくると、たぶん個人としてのキャラではなく、集団になってしまうんですよね。キャラがかぶってしまうと、物語としてどちらに行動させるのがいいかが分からなくなりそうです。

キャラクターをストーリー上の「機能」で分類し、メインキャラクターに分配、そこから機能に沿ったビジュアルをつくっていくと、それぞれのキャラクターが「組み合わせ」として引き立ちやすく、お互いの存在のおかげで魅力が高まるかなと思ったのでした。

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マンガ原作したいみじんこは現在、持ち込みできるところまでを目指してます。制作経過で考えた「マンガシナリオを作る場合」の注意点はこちらから。着々と絵になっていくのがとても嬉しい日々です。ありがたいよ!

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