
分業時代のマンガ制作~絵で伝えられないとシナリオはそれだけで無に帰る
自分の物語がマンガ化・映像化されたところが見たい!ということで、絵の描ける人にネーム制作をお願いし、Twitter経由で持ち込みすることを目指しています。
原作となってる医療ファンタジー小説はこちら。
絵が描けないままネームを描くとどうなるか、というのを今日は試してみます。
冒頭のシーンなんですが、1コマ目は下から見上げるような視点になっているし、その後は上から下に見る俯瞰構図になってますよね。
このシーンをこのままコマトレースします。
いきなりこれを見たら、何も伝わらなさそう、、!
でも、これはまだ、ちゃんとコマ割りしてもらったものをトレースしているので、棒人間だとしてもまだマシなんですね。
もしも自分でネーム化してたとしたら、まじめにこうなると思うのです ↓
恐ろしい、、!びっくりするほどつまらなそう!!
セリフと登場人物は同じなのに、ぜんぜんおもしろい感じがしない、、!
この状態で持ち込んだら、100%失敗する自信がある、、!
そんなわけで現段階で気づいたのは、どんなにいいシナリオができた!と思っても、ネームがしっかりできない状態だったら持ち込まないほうがいいなっていうことです(割と当たり前だった)。
もしも頑張るなら、デジタルデータをイラスト風に加工して背景とかを合成するとかですね。(写真を下書きになぞるような感じで絵にするのもあり)
↑ 自分が昔撮った列車の写真をIllustratorに取り込んでライブペイントしてつくった画像です。海の画像もネットで見つけたデータをもってきて加工しました。
マンガ原作としてシナリオだけで「おもしろい」と思わせるのは、かなり難しいことがわかりました。絵が雑だと、せっかく作り込んでいる世界観まで雑に思われてしまいそうです。でも、ネーム状態だと作り込みを見せるのが「絵」しかないんですよね。このレベルでネームにするくらいだったら、文章原作のまま、脚本応募とかしたほうが可能性高そうです。
現在、ネームにしてくださってる方も、原作の世界観の雰囲気やキャラクターの心境をかなりご自身の中に落とし込んでから作画してくださってるので、1コマで「なんかこのキャラ怖そう」とかの緊迫感が出るんでしょうね。
ただ「原作・作画全部を自分でやらない」場合には、どこかで自分の表したいことを他者に伝えないといけないし、そもそも全部自分でやれたとしても、編集さんに面白いと思ってもらわないといけません。
そういう意味で、「他の人に物語を伝える」っていうのを早めにやって「何が伝わっていないか」「どうやって伝えなければいけないか」を考えられるようになったほうがいいなと思いますよ!
ここまでの間で、シナリオ担当からネーム担当に向けて、一番伝えないといけないことは「ストーリーの基本的な流れ」「キャラクターの感情」かなぁと思っています。
キャラクターが怯えていると、怯えた動作や表情、怯えを表すメタファーが絵にあったほうが、それが伝わりやすいです。
ジャンプの編集者さんがマンガを語っているブログもとてもおもしろいので、原作・作画に関わらず、マンガを描いてみたい人はぜひご参考に!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
気に入ったら「スキ」してくれるとうれしいですよ^^
ネーム制作過程はこちらからどうぞ。
それでも、物語が絵になる喜びはハンパないです。こんなに嬉しいこと、人生でなかなかないよ!