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【アート企画】病気によって繋がりが生まれる「あなたの時計で私も生きる」

「宇宙兄弟」から生まれたALSという難病の治療研究を支援する基金「せりか基金」。「宇宙兄弟」に出てくるお医者さんの伊東せりかさんは、お父さんがALSで亡くなっています。このせりかさんの名前を冠した治療支援プロジェクトがこちらの「せりか基金」です。

物語が現実の医療に貢献しているというのがとても好きで、みじんこも2020年1月から毎月3265(みじんこ)円を支援しています。同時に、支援額と同額のアート企画や作品を毎月2点販売しています。

さきほど、WITH ALSの代表武藤さんの記事が公開されていましたね。ファッションとか病気の人用だと歩きやすさ、動きやすさとかを重視しがちなのですが、合わせて「かっこいい」っていう視点はとても大事だなぁって思っています。

自分の見た目が自分自身にどう見えるかによって、自分のイメージって変わると思うんですよね。かっこよい服を着ていると、自然と背筋も伸びて考え方も変わるから。

人と人との助け合いが「かわいそうだから」じゃなく、当たり前に行われる世界のほうが素敵だなと思うんですが、服装のかっこよさってその「当たり前」の世界に寄与すると思うんです。

「かわいそう」に見える服装ってあるじゃないですか。汚れてたり穴が開いてたり。同時に「かっこよく」見える服装もあって、色や形でユニークさが出てるとかありますよね。

ALSなど身体が動かない人たちの代わりに働いてくれるORIHIMEというロボットがあります。こちらの動画がとても感動的なので、ぜひ見ていただきたいのですが。

病気になった身体をORIHIMEを使って自分で介護するっていう発想がとても素敵ですし、障がいのある人たちがORIHIMEを通じて働いているカフェがあったらぜひ行ってみたいなと思います。

ORHIMEカフェに行きたいって思う時の理由って、かわいそうだからじゃないですよね。最先端のロボットを遠隔で動かして接客をしているカフェっていうのが、かっこよくて興味があるから行きたいんです。

このORIHIMEの開発者・吉藤さんが、ALS患者さんの悩みである「孤独」を解消したいっていうのを言ってたんですね。身体が動かなくなるので、コミュニケーションがすごくやりにくくなると。でも、目の動きを使ってORIHIMEを動かすことで、来てくれた人に手を振ることができるようになります。お客さんにお茶を出すみたいな大型のORIHIMEも開発されてるとか。すごいですよね。

こういった試みから、病気の問題は病気であるという状態よりも、分断が生まれることなんだなって気づかされたんです。

寂しい気持ち、不安な気持ちを共有できる人が少ないこと、遠くに遊びに行ったり好きなところに行ったりする自由が制限されること。病気によって生まれる「孤独と分断」を、病気によって解消、繋がりが促進されるようなことができたらいいのかなと思いました。

そんなわけで2021年1月分1つ目のアート企画は、病気によって人と人とのつながりが強化されたら、という視点から考えてみました。

「あなたの時計で私も生きる」

アート企画「あなたの時計で私も生きる」は、病気を持った人の介護サイクルを命の時間単位として共有するプロジェクトです。

身体が動かなくなると、定期的な体位変更とかが必要になると思うんですね。あるいは、唾液を取り除くとか。

この企画では、介護にかかる定期的な時間を「1単位」として、デジタル砂時計で共有します。同じ作業でも人によっては2時間に1回かもしれないし、同じ作業でも3時間に1回かもしれません。

誰かの定期的な時間単位を、他の誰かの作業時間をはかる目安にして、時間単位によって繋がりがつくれないか、と考えたのがこちらの企画です。

病気の人の作業時間単位は、いわば誰かの命の単位です。
体位変更のサイクル:2時間22秒
立ち上がるのにかかるまでの時間:18分3秒

誰かの命の時間単位が共有され、他の人がたとえば「音楽をつくる作業をするのに、この時間単位を使おう」「料理をこの時間で終わらせるのを目標にしよう」といった感じで、誰かの日常の時間の中に溶け込んでいきます。

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分断が起こるからこそ、再会の喜びが倍増するっていうこともあるのかなぁと思っていて、分断や孤独のメリットについても合わせて考えていきたいなと思っています。

これまで制作したアート企画はこちらのショップでのぞいてみてね!

引き続き、アートの側面から医療についてできることを考えていきますよ!




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