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私たちは記憶を食べ合うことで他者と自分を交換しあう~諏訪綾子

諏訪綾子さんの「記憶の珍味」をStickerさせていただきました。

記憶を「珍味」として複数人で共有しているプロジェクトというのがとても興味深かったです。「珍味」っていうタイトルがいいですよね。珍味ってその字のごとく珍しい体験を想起させるワードで、どことなく「旅」を感じさせます。

「記憶」っていうのは、味だけじゃなく視覚や聴覚など五感に加えて感情の揺さぶりも伴う脳内データです。

「味覚」っていうのも、体感覚のような気がしますが、私たちは料理を食べる時、その見た目や食べる時のしゃりしゃりした音、あるいは調理している時のジュワワワワっていう音を合わせて「味わい」ますよね。

昔、「うんこ味のカレー」と「カレー味のうんこ」があったら、どっちを食べたいかみたいな質問を聞いたことがあるのですが、リアルになんか気持ち悪い見た目の物があり、その味が高級レストランの料理と全く同じだったとしても、「おいしい~!」って思って食べられるのでしょうか。ちょっと逃げ腰になってしまいそうですよね。

老舗の虎屋はそっくりケーキで攻めてきていますが、見た目がタコやきのシュークリームはちょっとソース味を意識しながら食べてしまうと思うんですよね。正確な味が自分の心によってバイアスがかかりそうな気がします。

あらゆる人の経験は、他の人にとっては味わったことがないもので、それは「珍味」と言えるかもしれません。しかし、少人数でも一緒にその珍味を味わった場合、それは私たちの中で共通の「記憶」として保存されます。

食べる物というのは、自分たちの血肉になるものです。そういう意味で食べる物は自分の一部です。記憶もまた、自分自身を構成するものの一つです。記憶がなかったら、私は毎日違う自分になります。昨日やろうとしていたことを覚えているから、私は今日を迷わずに生きることができます。

記憶を珍味として他者に提供した場合、それは私の一部を調理して出しているのに近いのではないかと思ったのです。

私の記憶を味わった人たちは私の一部になり、誰かの記憶を味わった私は誰かの一部になる。

記憶を食し合うことにより、私たちは自分を交換し合っていて、その交換により私自身を取り巻く環境が構築されていくのではないかと考えさせられた作品でした!

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