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「断る時も断られる時も相手への配慮があったほうがいいのかも」の話

「そもそも協力してくださいって頼むのって、自分にはちょっとしんどいかもしれません」
「ほう。それはどうして?」
「断られたらイヤだなって思っちゃうから…」
 私がそう言うと、老人はうなずいてから足を組み直した。
「なるほど。断るのも断られるのも、人の心に負担をかけるものかもしれない」
 老人はデンマークのコペンハーゲンに住むアートコレクターで、部屋には小さなアート作品が壁いっぱいに飾られていた。

「そうですね。断った時も断られた時も、なんか申し訳ないような気持ちになってしまって、とても難しいなって思います。断られた時は、次の機会に声をかけづらくなるし、断った時は申し訳なさでいっぱいになるし」
「断ることも断られることも起こらない状態にできるといいよね」
「はい、それができるなら、そのほうがいいです」
 いただいた話を断った時、次の話をもらえなくなるんじゃないかと心配になるし、お願いしたいことを断られた時はその人との関係がちょっと疎遠になってしまう気がする。なんとかうまく関係性を維持したいと思っているに、なかなかうまくいかない。
「どうやったら断らず、断られずっていう関係をつくれるか、一緒に考えてみよう」

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