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「自分の価値がちゃんと伝わるように伝え方を考えるといいよ」の話

「みんなきっと、自分の価値をどう見せるか、考えていないんだと思うんだ」
 老人の言葉に、私は紅茶のカップに落としていた視線を上げる。
「価値の見せ方、ですか?」
「そう。自分にどれだけ価値があっても、それをどう見せるのか分かっていなければ、価値を伝えたい相手には伝わらないだろう?」
「ああ、そう、ですね。そういえば、どう見せるかとかはあんまり考えてなかったかも」
 価値の見せ方の前に、そもそも自分には価値があるのだろうか。そんなことばかり考えてしまっている。価値がないものを価値だって見せようとするなんて、それは詐欺なんじゃないかっていう気がする。
「価値はあるよ。自分が自分でそれが自分の価値なんだって気づいてないだけだ」
「ほんとですかぁ」
 老人は誰にでも価値はあるなんて言い方をする。でも、価値の大きさには違いがある。それが収入や生活環境の違いになってるはずだから。
 ああ、でもそれだけじゃないのか。すごく優秀でも勉強する機会がなかったり、素晴らしい絵を描けても見てくれる人がいない場所だったり。出会いは人生を簡単に変える。伝え方によって出会いの運を変えられるなら、自分の価値をもっと増やすことができるのかもしれない。
「小さな価値が自分につくれるとして、それを伝えるために何をしたらいいでしょうか」

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