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日本最大級のオンラインギャラリー代表に「アート作品の価格のつけ方」について聞いてみた

「アートで食べていけるアーティストの数を増やす」ことを掲げ、17年つづくオンラインギャラリータグボート
徳光さんが代表になったのは2008年です。2021年現在でも積極的に新規取り扱いアーティストの発掘を行っているタグボート代表の徳光さんに、アートにまつわるウラ話を伺って来ました。

今回のテーマは「アート作品の価格のつけ方」です。

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ギャラリータグボートタグボート代表の徳光さん。

Ouma(以下、O)「いつもありがとうございます。今日は始めたばかりのアーティストにとって一番気になるポイント、価格付けについて伺いたいです!」

徳光さん「はい、よろしくお願いします」

O「現在もそうなんですが、正直、アート作品の価格ってどうやってつけたらいいか全然分からなくて」

徳光さん「ああ、なるほど」

O「高すぎる安すぎる、価格を上げちゃダメ、下げちゃダメ。いろんな意見を聞いたことがあるんですが、逆の意見もいっぱいあって迷っちゃうんですよね。
 今回は特に、アートをこれからやっていきたい、初めて作品を販売するぞ! っていうくらいのアーティストさんがどう考えていったらいいかを教えていただきたいです」

徳光さん「まず一つ、何千円みたいな価格はないよ」

O「えっ、そうなんですか」

徳光さん「うん。数千円だとグッズになっちゃうでしょ」

O「あー、・・・(みじんこを数千円で売りに出してた!)」

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徳光さん「そこを踏まえて、これを創ることで最低限このくらいは欲しいって本人が思う金額をつけるようにするといいよ。そこからスタートだね」

O「欲しい金額かぁ、難しいなぁ。くれるならいっぱい欲しいですもん」

徳光さん「奈良美智さんでも最初は2、3万円の時期があったからね」

O「それでも数万円からスタートなんですね。もっと安いのかと思ってました」

徳光さん「そこはもう最低賃金みたいなもんだよ。スタートは安くして、後はどう上げていくかなのね。上げるのはお客さんが買えるギリギリまで上げたほうがいいんだ。
 ギャラリーは価格を上げること、つまり作家や作品の価値を上げるのが仕事だから」

O「なるほど」

徳光さん「たとえば、A4サイズで2万円くらいからスタートするとするでしょう。それが2万円がいいか、3万円がいいかって、アートの場合は根拠がないんだ」

O「はい。そもそも素材とか制作時間とかも、作品の価値と比例しないですし。アートの価値ってどこで測られるんだろうって思って」

徳光さん「根拠はこれからつくっていくもんだから」

O「あー! そうか。これから、つくっていくのか」

徳光さん「そうだよ。ふつうの仕事で言うなら、大卒の初任給の給与ってだいたい決まってるでしょ。それにだって根拠はないよね。まだ働いていないけど、大卒ならこのくらいできるだろう、みたいなところから始まっていく。そこからその人の能力や頑張りによって、給与は徐々に上がっていく。それと同じイメージ。
 だから、言っちゃえば最初につける価格はてきとうなんだよ。そこからスタートして、最終的には需要と供給のバランスで価格は決まっていくから」

O「てきとうかあ、確かにぶっちゃけそうですね。でもまずは基準をつくって、徐々に価値を上げていくってことですね」

徳光さん「そうそう」

O「でも、もし、2万円ってつけて売れなかった場合、価格は下げていいものなんですか? 需要と供給っていうのを考えたら、普通の商品だと値下げされそうなんですが」

徳光さん「アートの場合は下げない方がいいよね。そこは下げずに頑張るほうがいいかな。だから一番最初は、やっぱり高くしすぎないほうがいいと思うよ」

O「なるほど、ありがとうございます! 具体的な数字が出てきたのでとても参考になりました。私も価値の根拠をつくれるように、これからも頑張ります!」

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私はクリエイターを応援するnoteや、マンガ家を応援するアルがとても好きなんですが、タグボートにも同じビジョンを感じています。タグボートは一人でも多くのアーティストが食べていける環境をつくることで、日本のアートの未来を守り育てようとしていると思うのです。

徳光さんへのインタビューシリーズは連載になっているので、気になった方はぜひ、こちらのマガジンをぜひフォローしてくださいね!

アートを買う人にとっても、自分が作品を買った作家が育てばうれしいはず。価値のあるアートを買うにはどうしたらいいのか、どこで買うのがいいのかと気になった方はぜひ、こちらのコラムを読んでみてください!

▼徳光さんの現代アート関連コラムはこちらから。

▼もっと踏み込んだ内容を知りたい方はこちらから(2021年1月24日現在、Amazon Primeに入ってると無料で読めるよ!)

▼定期的に作品購入するコレクターさんは、オンラインサロンに入っておくと、タグボート経由の作品価格が5%割引になります。

サロンに入ると、コラムの有料記事も無料で読めるようになります。

▼タグボートで取り扱っていただいているOuma作品はこちら!
ギャラリー経由で購入してもらえるほうが作家としてはチャンスが増えてありがたいので、購入希望の方はぜひ、タグボートさんから買って欲しいですよ!

みじんこも売られたよ!

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