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自分のアート作品を見つかりやすくする方法を考える

スタートアップがいっぱい増えて、アート界隈がなんか盛り上がっているようです。今後、どうなるかは分からないのですが、盛り上がる時期よりも前にアートをやっててよかったなぁと思っています。どちらにしろ、やる人が増えれば競争も激しくなるので、自分もがんばらないといけないなと思っています。

私は元が獣医で、最初は草間彌生さんのことも知らない状態から始めたのですが、ぜんぜん分からない状態から始める時に大事なのは、業界について勉強して情報を集めることだと思っています。

情報を集めることで、自分の勝ち筋を探すんですね。

余談ですが、私は獣医大学を出て国家試験も通ってるんですが、そもそも獣医大学自体が模試ではE判定つづきで、絶対に受かりそうにない感じだったんです。その辺りの経緯は昔のnoteに書いたのですが、ポイントは「情報収集」「合格までの確率が高い方法を探す」ことです。

アートを始める時も、この時の経験を活かしてやっています。獣医になるよりもっと倍率が高い道のりで、いまだに四苦八苦はしていますが、現在までに海外美術館でお金をもらって展示参加したり、ブランドとコラボしたりできたので、ちょっぴりですがうまくいってるところも出てきた感じです。

やるからには、可能な限り早く世界で活躍できるようになりたいというのが、私が思っていたことでした。可能な限り早くって思っていても、子どもが2日で生まれないように、やっぱり時間はかかってしまいます。それでも、じっくり時間をかけてっていう考えでいたら、何かを成す前に人生が終わってしまうんじゃないかと思っていました。

可能な限り早くトップアーティストに。それは今もずっと考えています。自分は天才ではないので、作品で見つかってすぐにデビュー、華々しくピックアップされていくみたいなことは絶対にないんですね。天才でない自分が、それでも通れる道がないかっていうのをずっと探しています。

現在の自分が考えていることをまとめておきます。

自動的に情報が集まる場所にいる

やりたいことがある時には、それを最初から仕事にしてしまう、というのが一番精度の高い情報が集まる方法だなと私は思っています。アートをやりたいなら、つくってすぐに売ってみるとか展示してみるとかです。

展示するとなると、どういう見せ方をすればいいのか、どうやって人を呼べばいいのかを学ぶことになりますし、売ってみることで価格について考えることになります。やり始めると、分からなくて困るので、他の人の方法などが目に入るようになります。

関連書籍をメートル読みするとかも情報収集の方法として知られていますが、アートの現場で現在も活動されている方から生の情報が集まることが一番価値が高いと私は思っています。なので、自分が活動することで、そういう情報が入りやすくしておくと、うまくいく確率が高い道を探しやすくなると思っています。

海外レジデンスの情報などは、実際にレジデンスに参加しているアーティストさんたちが詳しかったり、すでにどこかに参加してたりするので、現地で情報交換しながら次の行き先を探していました。すでに参加したことがある人たちの意見なので、スーパーが遠くて行くのが大変とか、のどかで広くてとてもいい場所だったなど、信頼度の高い現地情報が手に入ります。

うまくいく確率を意識する

よく分からないから勉強してからやってみます、っていうのは割と悪手かなーと個人的には思っています。勉強している間にどんどん新しい人が出てきてしまい、通れたはずのチャンスの道が、やり始めた時にはすでに人でぎっしりになっていることとかあるんですよね。

2018年にSWATCHの銀座ビルで個展をさせていただいたことがあるんですが、その時、来てくれた方にアーティストさんがいたので、SWATCHの主催する上海のアーティスト・イン・レジデンス(アトリエ滞在型のアートプログラムのこと)を勧めたことがありました。

そしたら、その方は「今はまだ無理だと思うので、もっと勉強してから出します」みたいなことを言ってたんですね。私が上海SWATCHのレジデンスについて聞いたのは2016年のことですが、聞いて1週間以内には応募していました。

2018年の段階で、すでに応募者が増えて合格者でも滞在まで2年待ちという話が出ていたんですね。なので、遅れれば遅れるほど競争率は上がるはずです。私が受けた時よりも、現在はよっぽど競争率が高いはずです。さらに、このプログラム自体がいつまでつづくか分かりません。

基本的にこういうのって、遅くなればなるほど認知が進んで競争率は上がるので、早ければ早いほどチャンスを掴みやすいんです。

たとえば、現在だとコロナの影響で海外レジデンスも自国からの応募のみ、みたいな感じでクローズしてるところも増えてきてるんですね。受かって行けたとしても、現地での展覧会が満足に行えないかもしれない。ですが、逆に考えると、そう思う人が増えるので受かりやすくなってる可能性もあるんです。今年は無理だと思って受けない人が増えてるんじゃないか、という予測です。レジデンスの経験がないのであれば、この時期に応募してキャリアをつくってしまうというのも、もしかしたらアリかもしれません。

実際にレジデンスの応募率が下がるかどうかは分からないのですが、自分で予測を立ててみて、確度が高そうな行動を選ぶっていう思考回路になっておくと、がんばった時間が結果に還元されやすいんじゃないかなと私は思っています。

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確率の高い道は常に動いている

今、自分にとって通りやすい道はどこかなっていうのは、割と変動していると私は考えています。また、人それぞれ違います。美大卒であれば、先生や先輩などのコネがあるところのほうが確度が高そうですし、得意ジャンルや相性などもありますよね。

なので、自分に合ってうまくいく道を発見したらすぐにGOなんですが、うまくいってたはずの道が行き詰っても固執せずにすぐに新ルートを探すくらいがいいんじゃないでしょうか。

私自身、2017年からは海外レジデンスに連続参加しつづけていましたが、2020年には海外展示も含め、コロナですべてがストップとなってしまいました。こういうのはもうしょうがないですよね。その代わりに国内で美術系の助成金が多く始まったり、アート系スタートアップが増えるなど追い風になりそうなことも起こってきました。

確率の高さってどういうことか

アートは獣医のように免許を取ればなれるというものではなく、誰でも今すぐアーティストと名乗ることができます。じゃあ、うまくいってるってどういうことでしょう。

これはいったん、自分で定義する必要があるかなと思うんですが、私自身は海外のいろんな都市で展示発表でき、アートで生活できている状態、自分がつくりたいものを常につくっている状態だと考えています。

ギャラリーに所属したいみたいなのが目標だとすると、ギャラリーに所属できる確率が高そうなことを考えるっていうことです。これ、目標をアート収入が毎月30万円くらいあるとした場合と、ギャラリー所属を目標にした場合とは確率の高い道が違うと思うんですね。

なので、いったん、今の自分が何を一番優先するかを考えるといいです。目標という対象がないと、確率の高さも考えられないからですね。

そんなわけでまとめると、アートをやるにしても自分が達成したい目標を決め、どうしたらそれが実現できるか、自分自身のジャンルや相性を考えて確率高く実現できそうな道を選んでいくといいよね、っていう話でした。

分かりやすく確率が高い道は「多くの人が気づく前に行く」です。

確率についてはこの辺りにも書いているので参考にしてみてください。

ここからは、現在の私が自分のために考えていることです。他の人向けにはあんまり参考にならないかなーと思いますが、自分の思考整理のために書いておきます。

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アートをやり続ける上で、一番考えていることは、アーティストとして生きていける確率の高い道を行くということと、つくった作品が次のチャンスを引っ張ってきてくれるようにっていうことです。

最初の頃はそもそも実績がなかったので、実績をつくることを目標に頑張っていました。自分の線画だと、そもそもイラストと思われてしまうというのも原因でした。実績をつけながら、実地で制作を学ぶということを意識してたのが最初のフェーズです。

現在考えているのは、作品と自分自身の認知度を上げるっていうことです。そこそこ実績を積んだので、認知度が上がれば信頼につながって仕事や作品の購入につながりやすくなるかなと考えているからです。

一番狙っているのは、

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