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大きな音と存在はそれだけですごく感じるPaul McCarthy「Bang-Bang Room」

2018年に上海のRockbund Museumで見た大型インスタレーション「Bang-Bnag Room」について。

会場の中央に鎮座した作品、めちゃめちゃ大きいです。

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そしてうるさい笑。

扉がどったんばったんしながら開き、そのうち扉だけでなく壁全部が展開し、また1つの小さい部屋みたいに戻って行くという作品です。

折り畳み式の部屋が展開図みたいに開き、閉じる、っていうだけの作品なんですが、扉がばったんばったん言いながら閉まったり開いたりするので、とにかくうるさい。(好きな作品です)

各国からのアーティストさんたちと一緒に見に行ったのですが、他のアーティストさんもけっこうこれが好きだという人が多かったですね(数人にしか聞いてないですが)。

この作品からいろんな読み取りができますが、私がおもしろかったのは、「目立つものはそれだけですごく見える」ことが実感できたからです。

Rockbundでの展示には、ダミアン・ハーストを含む著名作家が多く参加していました。ほかの作品もとてもおもしろかったんですね。

それでも、サイズが大きく、しかも大きな音で注意を引き続けるこの作品は、「他の作品を真摯に鑑賞しようとする姿勢」をけっこう妨害してくるのです。

素晴らしい作品が周りにあるからこそ、この作品が中央にある意味がとても大きくなっていて。この作品単体で置かれていたら、ただのうるさいヤツっていう感じなんですが、他の作品があるからこそ、この作品にさらに意味が付加される感じなんです。
(つくづく、展覧会というのは、作品同士の相互作用で良くも悪くもなりますね)

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ネット上でも、日常生活でも声の大きいもの、目立っているものはなんとなく「すごい」感じがしてしまうし、なんとなくそっちに従おうとしてしまいます。大きな音が出ているとついそちらを見てしまうし、なかなかその存在を無視するってできません。

しかし、そういった「強制」が日常に「ある」のだ、と気づくことができれば、私たちはそこから自由になれます。

私たちがなんとなく気になっているもの、心を奪われているものは、素晴らしいから心を奪ったのか、それとも大きな声で目立っているものだから気になってしまったのか。

目立っているものが気になった場合は、ちょっと立ち止まってもいいかもしれません。

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展示としては、この作品がドアの向こうにきれいに見えるように配置されてたのもよかったです。

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