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子供と「映画 鬼滅の刃」を観る前に

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(以下、「映画 鬼滅の刃」と略)の上映が始まり、興行収入や動員数が話題になっています。

ご子息・ご子女は「映画 鬼滅の刃」を見たいと言い出していますか?
TVアニメ版や漫画原作に触れていても触れれていなくても、親としては「映画 鬼滅の刃」を子供に観せるか悩んでいる方はいらっしゃると思います。

自分の子供に「映画 鬼滅の刃」を観せるかを悩んでいる方に向けて、検討の参考になる情報を提供します。

補足ですが、私の職業はゲームクリエイターです。「鬼滅の刃」とは関係ありませんが、クリエイティブな学びの為にも日々エンターテイメントをしっかり捉えるように心がけており「鬼滅の刃」の漫画の連載をタイムリーに読みましたし「映画 鬼滅の刃」も鑑賞済みです。



鬼滅の刃を知りましょう

ディズニーリゾートへ家族で遊びに行き、東京ディズニーシーであのそびえ立ちとても目立つ建物「タワー・オブ・テラー」を子供が見つけて「乗りたい」と言ったらどうしますか?

(「タワー・オブ・テラー」は垂直に落下するフリーフォール型のアトラクションで、「ディズニー史上最恐」というキャッチコピーをつけられていたこともあります)


身長制限があるアトラクションですので、それを満たしていればOKしますか?
それとも子供が怖がりそうだと思い「もう少し大きくなったら乗ろうね」と言いますか?

怖がりそうだと思うのは、子供がどような性格なのかを知っている事と「タワー・オブ・テラー」がどのようなものか知っているから言える事ですね。

「映画 鬼滅の刃」も同様に、この映画がどのようなものかを知れば、観せるか否かの判断をしやすくなります。

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「映画 鬼滅の刃」は条件付き年齢制限がある

「映画 鬼滅の刃」は「PG12」というレーティング区分がされています。「PG12」とは「12歳未満の年少者の観覧には、親又は保護者の助言・指導が必要」というものです。これは法的なものではなく映倫(映画倫理機構)の自主規制の基準です。


映倫のホームページには「PG12」について、以下の説明があります。

「この区分の映画で表現される主題又は題材とその取り扱い方は、刺激的で小学生の観覧には不適切な内容も一部含まれている。一般的に幼児・小学校低学年の観覧には不向きで、高学年の場合でも成長過程、知識、成熟度には個人差がみられることから、親又は保護者の助言・指導に期待する区分である。
(PGというのは「Parental Guidance(親の指導・助言)」の略号です)」

まとめると「刺激的な内容であり、小学生には不適切で特に低学年が鑑賞するには不向き」というような内容です。

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鬼滅の刃がPG12と判断された要素

鬼滅の刃とは、大正時代が舞台で刀を振り回して鬼と戦う物語です。主人公達は鬼を倒す「鬼殺隊(きさつたい)」という組織に属しています。通称「鬼狩り(おにがり)」です。

鬼は、人間に似ている姿の者やグロテスクな怪物のような姿の者もいます。鬼はとても強く、体を切断されたとしても再生します。弱点は「首」です。鬼を倒すには、首を刀で切断する必要があります。

この設定によって「PG12」だと判断されそうな要素は以下のものがあります。

・人のような見た目のキャラクターの首を切断する
・人のような見た目のキャラクターの部位を切断する
・グロテスクで恐怖心を与える見た目のキャラクターがいる
・人が死ぬ
・「死」や「殺す」という言葉が使われる
・血が出る
・刀を振り回す

※廃刀令は明治時代に発せらているので、刀を持ち歩いている「鬼殺隊」は違法となりますが「映画 鬼滅の刃」では大正時代が舞台とは名言していません


映倫のレーティングは甘めかも

映倫のレーティングが厳しいのか適正なのかわかりにくいので、ゲームを例にあげます。

映画とゲームのレーティングは異なります。ゲームにはCERO(セロ)というレーティング機構があります。ゲーム購入時に身分証明書の提示を求められ、年齢とレーティングが合わないと購入する事ができません。

「映画 鬼滅の刃」 の内容をCEROに当てはめると17歳以上対象の「CERO  D」か18歳以上対象の「CERO  Z」に区分されると思います。赤い血がでたり部位が欠損したり「死ね」という言葉が使われていると対象年齢が高いレーティングになります。ゲームのレーティングは映画より厳しい判断がされています。


漫画原作とTVアニメ版を見ている子供はどれくらいいる?

レーティングの事を知ってどのように感じましたか?

お子様の年齢や性格、そして教育方針で判断していただければ幸いです。

次に、異なる視点の判断の為の要素を提示します。

子供が「友達みんな鬼滅の刃の漫画読んでるよ」と言っていたとして、クラスのどれくらいの子供が鬼滅の刃の漫画を読んでいるのでしょうか?

鬼滅の刃は週刊少年ジャンプ(以下、ジャンプと略)で2016年2月〜2020年5月まで連載されていました。ドラゴンボールやワンピースのような戦いが主体の「バトル漫画」と呼ばれるジャンルに属しています。

また雑誌名に「少年」とついているものの、ジャンプのメインの読者層は10代から30代と言われています。少なくとも小学校低学年以下に向けている内容ではありません。もし小学校低学年以下の子が読んでいるのなら、その親は流行りだからと思考停止して買い与えたのでしょうか

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それと、鬼滅の刃のTVアニメ版は、2019年4月〜9月の深夜に放送された所謂「深夜アニメ」です。深夜アニメはオタク層がターゲットであり、主にBlu-rayの売上が収益の中心です。

2019年末の紅白歌合戦では主題歌の「紅蓮花」が歌われました。そのようなきっかけで鬼滅の刃の知名度があがったのかもしれません。
2020年度にTVアニメ版を見たとしたら、動画配信サービスやBlu-rayで親に見せてもらったのでしょうか

「大親友が鬼滅の刃大好き」「大親友と一緒に映画を見たい」などであれば、前向きになるのは良いでしょう。

ブームの印象のある鬼滅の刃、しかしながら子供達の中ではどれだけ流行っているのでしょうか?

「鬼滅の刃のキャラクターが好き」という事であれば、害はないのかもしれませんが「映画 鬼滅の刃」を観るとなるといかがなものでしょうか

「映画 鬼滅の刃」の内容やご家庭の教育方針などから、子供に見せるかどうかの判断をする事をおすすめいたします。

(本テーマは以上となります。次の節は余談です)

余談:鬼滅の刃は面白い

エンターテイメントは好みによって面白いかどうかの感じ方が異なります。
ディズニーのキャラクターや世界観を好きになれずディズニーリゾートへ行かない人もいます。アカデミー賞や海外の賞を受賞している宮崎駿監督のスタジオジブリの映画に興味ない人もいます。

鬼滅の刃が面白いかどうかは、ご自身と趣味趣向の近い方から感想を聞く事のが良いでしょう

しかし、せっかくなので、ここまで読んでくださった方の為に、私の感想をお伝えします。

「鬼滅の刃」は面白いです!!

●漫画原作は確立されたテンプレート(もしくはフォーマット)があり、毎エピソードでこれに沿った感動が描かれ、繰り返されます。このテンプレートは漫画の歴史に残していい「発明」とだと思います。

●漫画連載時に最高だと思っていたエピソードが「映画 鬼滅の刃」となっているので「映画 鬼滅の刃」も最高です

●「映画 鬼滅の刃」のストーリーを知っているというのに、終盤は感動的で何度も涙を流しました。漫画ではできない演出が感動を強調しているのだと思います

●アニメのバトルシーンは見栄えがする演出で素晴らしいです。(アニメの制作はufotableというスタジオで、クオリティが高いモノづくりで定評があり特にバトルの評価は高いです)

ご家庭の教育方針で子供に「映画 鬼滅の刃」を見せない事になったとしても、ご自身は是非とも鑑賞してください!

(ただし、「映画 鬼滅の刃」には、アニメ独特の「コメディ(ギャグ)の演出」があり、そのシーンはいただけず、寒かったです。これについては、鬼滅の刃に限らず色々なアニメで感じているので、アニメ独特の文化・演出なのだと思います)

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