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古さをたっぷり愛せる人になりたい

 意図的に狙ってレトロ感を打ち出すのは難しい。あまりやりすぎだと白けてしまう。観光地にしろ商品にしろ、あざとく見えるとその仕掛けは不発に終わります。一方で人というのはどこか郷愁を誘うものを求めてもいます。


 買い物をしていて、色をわざとくすませたような商品がやたら目立つのもおそらくそのせい。新品なのに色がはがれたような加工をした物置が、ホームセンターで売られていました。長期間売られているという事は、売れてるんでしょうね。


 ただ使い続ければ自然と退色していきます。使い込んで経年変化をじんわり楽しむ。こういう事が、長くものを大事に使うという事なのでは。いきなりユーズド感のある商品を所有したい。ちょっとわがままでもあります。


 ただ私もくすみ感のある陶器を、新品で買ったこともあります。自分で愛着をもって使い続けるより、安易なレトロ感を手軽に求め過ぎた。後になって反省しています。何十年も使ったアイテムのくすみ感と、ほぼ新品のくすみ感は全く別物でした。


 手入れを怠らないとか壊れずに大事に使ってこそ、道具もひかり輝く。そんな基本的なことも疎かになっていました。今ある道具たちに数十年後輝いて欲しいから、大事に使おう。出番がなければ輝けないし、使い手も意識改革せねば。


 折角のアイテムも押し入れにしまっていたら、もったいない。家の在庫チェックも欠かせません。「これは流用できる」驚きの掘り出し物は、家の中にも転がっていたのです。時には内に目を向けるのも重要。


 懐中電灯もまぁ随分と年季が入っている。しかしちゃんと動くのだから、使わないと。なぁんだ身の回りにも、素敵な道具との出会いは溢れている。長年探していたものが、どこからともなく室内から出現したり。よく見ると小さなキズなんかもあって、それがまたいじらしい。綺麗に磨いて、これからも使い続けよう。


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