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【台湾マーケティング】買一送一(Buy One, Get One Free)の販促効果

皆さん、こんにちは。台湾駐在3年目のひむです。このnoteでは台湾のマーケティング事例やビジネスニュースなどを発信しています。
今回は買一送一(Buy One, Get One Free)という台湾でよく見られる販促手法の効果について解説します。

買一送一とは?

買一送一とは「1つ購入するともう1つ無料で貰える」という意味です。
日本ではあまり見かけることはありませんが、台湾では小売店やレストラン、ECなど至るところでよく見かける販促手法です。

ドラッグストアでブラウンの電動歯ブラシが買1送1で販売されている

買一送一の進化系として、例えばドーナッツなど複数個の購入が一般的な商品では、買五送五(5つ購入すると5つ無料で貰える)や買十送十などのパターンもよく見かけます。

ミスタードーナツの買5送5

なお、欧米では「BOGOF(Buy One, Get One Free)」と呼ばれており、台湾と同じくよく使われる販促手法のようです。

サブウェイのBOGOFの例

それでは、買一送一は単純に商品を半額で販売する施策に比べて、店側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

①半額に比べて粗利が大きい

1杯100円のコーヒー(原価30円)をキャンペーンで半額にして販売する場合と、買一送一で販売する場合を比較してみましょう。

半額の場合、粗利は20円になります。しかし買一送一の場合は、粗利は40円になります。
半額に値引きして販売するよりも、値段を据え置きにして1つ無料でプレゼントした方が店側にとっては粗利が大きくなるというメリットがあります。

②新規客にアプローチできる

これは商材にもよりますが、例えばコーヒーやサーティーワンなどのアイスクリームの買一送一の場合、1つは一緒にいる家族や友人にプレゼントする(あるいは折半する)ということが考えられます。
その店の既存客が知り合いを連れて来店し、新規客にアプローチできるというメリットがあります。

③ブランド価値の毀損が生じにくい

値引きには販促効果がある一方、ブランド価値を毀損するリスクがある諸刃の剣です。消費者が値引きされた価格に慣れてしまうと、定価で販売することが難しくなる可能性があります。
例えば、2017年に倒産した日本のステーキチェーンKENNEDYは、販促のために半額チケットを配りまくった結果、定価では高い、お得ではないと判断され、集客のために常態的に半額チケットを配るという悪循環に陥っていたようです。
もちろん買一送一もキャンペーンを実施していないときには買わないという消費者が出てくるリスクはあります。しかし過去の調査によると、買一送一では「1つ得をした」という感覚の方が強く、値段を変更していないため商品の価値が変わったとは感じにくいという結果が出ています。
したがって、値引き(半額)よりも商品価値を毀損しにくいと言えます。

以上、買一送一のメリットについて解説しました。
台湾で消費者向けのビジネスを展開する上では、買一送一は非常に効果的な施策の一つですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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