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家族支援の視点を持つ「家族支援マイスター」

生き延びのためのプログラム

人には、生まれながらにして、すでにプログラムされているものがあります。

*目や口元を見つめ、しぐさを真似る。
*安心をくれる人の匂いや声を記憶する。
*命を脅かすものを見逃さず、危険を察知しては泣き、危険を取り除いてくれる人に、強い 信頼を寄せる。

いずれも、人と心を通わせることを目的にしたプログラムを既に持ち合わせており、誕生後すぐに稼動させて、共感力の素地を作っていくのです。

長い時間をかけて進化させた“共感力”

そもそも、ヒトが直立歩行を開始したのは300万年前。
肺の出口である喉頭部が下降し、母音の発声を可能にしたのが7万年前。

言葉を生み出すまでの長い時間、言葉を使わない方法で、互いの気持ちを通い合わせ、生き延びてきました。
猛獣のように鋭い牙や爪を持たないヒトが、命を落とさずサバイバルするためには、他人と繋がるしかありませんでした。

気持ちを通い合わせる「共感力」を武器に、仲間を持ち、危険を察知して伝え合い、信頼でつながる力を手に入れることで、生き残りにかけたのです。

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感情を豊かに育て、取り扱う能力

人間ほど、感情を豊かに持つ生きものはいません。細やかな感情を、響き合わせながら、集団で生き延びる方法を選んだのです。
しかも、感情はからだや脳の働きの隅々まで、密接な関係を持ちます。

感情の根っこは「快」「不快」です。
受け取った刺激が「快」か「不快」かを感じ取ることで、運動神経や自律神経、ホルモンの分泌をコントロールし、危険から身を守り、安全を手にする能力を磨いてきたのです。

ですから、感情を豊かに作り込むこと、そして感情を取り扱う力を身につけることは、社会の中で生きることを運命づけられた人間にとっては欠かせないもので、感情を取り扱う力の弱さは、生きる力の弱さに繋がってしまうのです。

大人によって作られる感情を取り扱う力

感情の発達には、段階があります。
最初は、傍にいる大人と気持ちを通わせ、揺らし合うことで、感情の種類と奥行きを育てていきます。

更に、大人に伴走してもらいながら、突発的に襲う激しい感情の揺れを鎮め、手綱をしっかりと持ち、効果的に取り扱える力を育てていきます。

いかに、傍にいる大人の関わりが重要かがわかります。
ところが、社会の構造上、核家族化と育児の孤立化は加速。
経済の担い手と期待される親の忙しさは、増していくばかりです。

更に、世界中を襲ったコロナウイルスによって、変化のスピードは急速にアップ。
親の力だけで、子どもの感情を豊かに育て、共感力の土台を作り込むことは、到底不可能なのです。

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家族支援の視点を持つプロの必要性

子どもは、大人によってつくられる。
この原則に立てば、幼い時に、共感的にどれくらい関わってもらえたのか、感情を取り扱う練習を、どれくらい丁寧に伴走してもらえたのかは重要です。

大人の心に余裕がなければ、心地よい感情の響き合いを体験させてあげることは難しいでしょう。そして、感情の取り扱いが下手な大人の元であっては、子どもは感情に手綱を付け、上手に取り扱う力を発達させることは困難が伴います。手綱をキツく締め付けすぎたり、親と同じようにスイッチが入ると手がつけられなくなったり、自分の取り扱いに苦しむようになります。

しかも、夫婦で育てることが当たり前となった今、夫婦でその重要性を共有し、家族を機能させていかなければなりません。

うまく機能させられない時は、親自身の育ちによる課題と向き合うことも必要ですし、二人が力を合わせて乗り越えていく『知恵』を授けてくれる人が必要になります。
家族がうまく機能していくためには、家族を見る力を持つ専門家の支援が必要なのです。

また、幼少期に親以上に時間を共にする保育者は、子どもの人格形成の担い手でもあるという自覚を持ち、自分自信を深く知ること、自分の特性や、無意識に起こる感情反応、色メガネで保護者を評価していないか、といった論理的・客観的な視点で、洞察する力を育てていく必要があります。

人間の成熟への探究心を抱き、困難だと見える状況であっても、必ず解決への糸口を探そうとするプロ。

最初から子育てが上手に出来る人はいない。誰もが教えてもらい、試行錯誤しながら身につけていくもので、『大丈夫、必ず出来るよ』と、励まし続けるプロ。

それが「家族支援マイスター」なのです。

<家族支援マイスターの役割>

*子育て相談
*子育てミニ講座の企画・運営
*カウンセリング的スキル
*親子関係調整
*夫婦相談
*家族機能診断及びカウンセリング
*社会資源の活用

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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