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<セミナーQ&A> 玉川大学 大豆生田先生と考える「こどもの道具」としてのICT

Q:自由時間にタブレットを子どもたちに渡すとYouTubeばかり見てしまいます。どうしたらよいでしょうか?

大豆生田先生:子どもたちが自由にタブレットを使えるようにすると何が起こるか。これは園によって大きな違いが生まれるところです。失礼な言い方になるかもしれませんが、園の遊びに面白いことがなければ YouTube を見るしかなくなってしまいます。他に面白い遊びがあれば、YouTubeを見るということにはならないんだと思います。こういった子どもの姿が見られるということは、日常の中に子どもたちが 本当にワクワクするようなことがある保育環境があるかどうかを考えるきっかけになるかもしれません。

第二早翠 和瀬田先生:園ではiPadを自由に使うことはできますが、YouTub を見ている姿は見たことがないです。 難しい折り紙を先生と子どもが一緒に見ながらやってみたり、という使い方でしかYouTubeを使ったことがないので、そういうことで子どもに注意をしたことはないですね。

Q:「道具」は使いこなす人の考え方(哲学)によって良いも悪いもなるように感じます。言い方があっているか?わかりませんが、「刃物はリンゴの皮をむく便利な物」だけど、「人も脅せる道具」になります。和瀬田先生の「道具」の考え方はとても共感いたしました。スマートエデュケーションさんは、どのように各幼児施設へ提案していかれるのでしょうか?

池谷:園児募集のためにICTを使った保育を園のウリにしたい、というような思いが強く見える園さんに対しては、導入をお断りすることもあります。私たちは全国の園さんを回っていますが、保育への想いをお伺いしたうえで、道具としてのICTのあり方をしっかりと考えて子どもたちに降ろすことができる園さんにご提供していきたいという思いでいます。中央ヴィラさんふくめ複数園を展開している協愛福祉会さんは、導入している園としていない園がありますよね?その辺りの経緯を教えてください。

協愛福祉会 理事長 横山先生:私自身は最初は保育の中でICTを使うということについてはアレルギーがありました。ICTに振り回されてしまうのではないかという危惧があったからです。ただ池谷さんと出会って「道具としてのICT」というビジョンに共感して導入を決めました。子どもの主体性を大切にするという園の方針を考えたときに、まだそこがしっかりと実現されていない園については、導入を見送っています。中央ヴィラについてはベースとなる保育がしっかりとしているので、子どもたちや先生が主体的に活用できるのではないかと思いました。

Q:子どもたちがIT機器に触れることへ、アレルギー反応を示す保護者はいなかったでしょうか。また、いらっしゃらない場合は、そのような保護者の存在や新規入園を想定しながら、保護者に対し、どのような説明をされるでしょうか。

中央ヴィラ 比惠島先生:今年度の夏に導入したばかりで、実は改まっての保護者説明会は実施していません。私たちに見えていないだけで、実はアレルギー反応をもたれている方もいらっしゃるかもしれないので、来年度の入園説明会では、今年度の取り組み事例も紹介つつつ、しっかりと説明したいと思っています。

第二早翠 園長 徳本先生:ICTを導入して随分経ちますが、保護者には特別なアナウンスはしていません。道具として普通に何気なく置いているので、特に説明する必要はないかなと感じています。

Q:例えばGoogleレンズなどですぐに答えられるものがベースになると、前段階の不思議を味わいながら調べていくなどの過程が抜けやすくなるケースがある気がするのですが、そのあたりのアドバイスを頂けますと幸いです。

大豆生田先生:とても重要な質問ですね。私は保育の中で図鑑を出すタイミングについてよく話します。子どもが虫に興味を持ったときに、すぐに図鑑に行くのがいいのかどうか。私なら悩むと思います。知識を得る前にまず虫に触れたり、ここはどうなっているんだろうと観察したりと、いろいろな角度から興味を深める時間が重要だと考えるからです。大人側の意識が非常に重要です。子どもが目の前のものごとにどれだけ豊かに興味関心を持っているか。どのタイミングでICTを使うことが最も有効なのかを、その時々で考えることが重要だと思っています。

(以下、スマートエデュケーションより回答)

Q:園児に使用させるタブレットには、何か工夫をされていますでしょうか。アプリやセキュリティ、設定など、大人用と何か違いがあれば教えていただきたいです。

A:落としても壊れにくいようにソフトカバーをつけることが多いです。またアプリは間違って削除しないように、設定でコントロールできます。大人用との違いにつきましては、一般的な設定でできる範囲で使っており、特別な設定が入っているわけではありません。

Q:タブレットで使えるアプリは限定することができますか?
A:設定でコントロール可能です。

Q:子どもたちが教材の使い方を覚えるためのレクチャーはどの程度の回数行いましたか?
A:子どもたちはICTにとても慣れていますので、1回皆で遊んだらすぐに覚えてしまいます。むしろ先生より上手なくらいです!

Q:導入後のフォローはどの程度していただけるのでしょうか?
A:アプリの使い方マニュアルや活動事例集をご用意しています。またカスタマーサクセスのメンバーがお電話、オンライン、訪問などさせていただき、先生方が楽しく保育できるようにサポートしていきます。必要に応じて個別研修も行います。

Q:iPadが園に一台もないのですが、ICTを行う上で何台くらいの用意が必要でしょうか。高価なものなので、用意できるのか金銭的にも不安があるのですが、何か方法はありますか?
A:1人1台ある必要はありません。4−5人のグループで1台を1クラス分から準備されるケースが多いです。必要であれば徐々に増やしていく事もあります。補助金を活用するケースもあります。

Q:適応年齢はありますか?
A:弊社が提供する教材につきましては、3歳〜5歳をメインとしていますが、教材によっては0歳でも楽しめる教材もあります。年齢に合った活動もご提案していきます。


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