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<セミナーレポート>効果があった!ドキュメンテーション 〜★幼稚園★編〜

12/8(水)に開催したオンラインセミナーのレポートをお届けします!
今回はドキュメンテーションに取り組まれている幼稚園の先生をお迎えし、ドキュメンテーションにどのような効果を感じているのかなど、いろいろなお話をしていただきました。

一言で「ドキュメンテーション」と言っても、その取り組み方は園によってさまざまです。今回ご登壇いただいた3園さんも、それぞれ「おうちえんドキュメンテーション」を素敵に活用してくださり、園の特色・強みがドキュメンテーションにとてもよくあらわれていました!!

まだドキュメンテーションを実施していない園さんにも、ドキュメンテーションをさらに改善していきたいという園さんにも、参考になる内容だと思います。
ぜひセミナー動画をご覧ください!

※こちらからセミナー動画をご覧いただけます。

【東京都立川市 ふじようちえん  園⻑ 加藤 先生 ・ 主任 徳野先生 】(5分00秒〜)

ふじようちえんは「表のアナログ、裏のICT」をテーマにしています。
子どもの遊びや学びはアナログで、先生の業務や保護者とのコミュニケーションにはICTを積極活用しています。ドキュメンテーションは「おうちえんドキュメンテーション」を使ってデジタル配信しています。

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「ICTを活用することは、先生の業務軽減に大きな効果がある。日々子どもと触れ合う先生が働くことを楽しめる環境が何よりも大切で、それを実現してくれるのがICTだ」と力強く語ってくださった加藤園長。「絶対によいものだから、いち早くICTを導入したほうがよい!」とアドバイスをくれました。

さて、ふじようちえんではこれまで月1回のクラスだより・幼稚園ブログ・限定公開のYouTubeなど、さまざまなかたちで子どもたちの様子を保護者に伝えていました。
とくにコロナ禍の登園自粛をきっかけにスタートしたYouTubeはとても好評で、登園できるようになった後も普段の保育の様子を家庭に伝えるために続けていたそうです。しかし月1回の配信なので「とにかく全員が動画にうつっていなければ!」ということに先生の意識が向いてしまい、一人ひとりの育ちや興味関心などを詳しく伝えることができないという課題がありました。また動画編集にも時間がかかっていました。

そんなときスマートフォンで手軽にドキュメンテーションを作成できる「おうちえんドキュメンテーション」の存在を知り、「おうちえんドキュメンテーション」を使って、先生が伝えたい場面をどんどん伝えていこう、クラスの活動報告ではなく、個人の学びや育ちに注目して記録しようということを決めました。
現在は、月1回のクラスだよりを廃止し、投稿回数を週2〜4回に増やして日々の様子を保護者に伝えています。保護者からは「子どもの様子がリアルタイムでわかってとても嬉しい」と喜ばれており、保護者の保育への理解も深まっていることを感じているそうです。

こちらがふじようちえんさんのドキュメンテーションです。スマートフォンで家庭に配信しつつ、印刷して子どもたち自身が見られるようにもしています。

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主任の徳野先生が、「ドキュメンテーションを導入してよかったことはなにか」と先生方に聞いたところ、「他のクラスの保育が見えること」という答えが一番多かったそうです。お互いの保育について気軽に語り合う風土が生まれたこと、一人ひとりの先生が「子どもの育ちを知りたい!みんなに伝えたい!」と思うようになったことが、ドキュメンテーションを導入したことの大きな効果だと、語ってくれました。

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「もちろん課題もあるけれど、それも挑戦したからこそ見えてきたもの。まずはやってみることがいちばん大切だと思います」と締めくくってくれました。

【山口県美祢市 伊佐中央幼稚園 教務主任 作本先生・担任 古川先生】(24分20秒〜)

伊佐中央幼稚園さんは、「その子らしさを大切に」という理念のもと、子どもたちの好奇心や探求心を大事にしながら、子どもと保育者が共に育ち合う保育を実践しています。
子どもたちの興味から深い活動につなげていくテーマ活動では、十分な時間をかけて「なんでだろう」という知的探究心を満たし、その子らしさを発揮できる活動を行っています。園では主にこのテーマ活動についてのドキュメンテーションを作成しています。

伊佐中央幼稚園さんのドキュメンテーションは8割がアナログ(紙)です。こちらは、「山からけむりが出ている」という子どもたちの発言から、煙の正体についてみんなで考えたドキュメンテーションです。

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この活動をきっかけに子どもたちの天気への興味が深まって、氷や虹を作ったり、天気予報は本当にあたるのかなどの研究をしてみたり。子どもたちが身近な現象を観察したり実験したりして学びを深めていく様子がドキュメンテーションを通してとてもよく伝わってきました。

保護者もドキュメンテーションを読んで、こどもたちの発想に驚いたり、また家庭で会話をふくらませたりしてくれているそうです。

伊佐中央幼稚園では1クラスにつき2〜4人の先生がチームを組んで保育を担当しています。作本先生は、先生方が放課後にこどもの発言や成長の様子についておしゃべりしている様子を見て、このおしゃべりを可視化して保育につなげたいと思い、ドキュメンテーションに取り組むことを決めたそうです。みようみまねで始まった取り組みですが、ドキュメンテーションを作成することで、「これまで見えなかったことが見えてきて、保育が楽しくなった」と語ります。

ドキュメンテーション作成頻度は担任に任せているとのことで、先生の心が大きく動いたタイミングで作成しているそうです。他の先生と保育について語り合ったり、多様な視点で子どもを捉えることができるようになったり、とドキュメンテーションにさまざまな価値を感じているとお話してくれました。

また伊佐中央幼稚園さんは、コロナをきっかけにおうちえんを活用しドキュメンテーションを配信しはじめました。紙で作成したドキュメンテーションをデジタル配信する場合には、スキャンアプリでドキュメンテーションをスキャンして投稿しています。
バス通園で、園に掲示したドキュメンテーションをなかなか見ることができなかった保護者もドキュメンテーションを見ることができるようになり、喜ばれているそうです。個人面談の際も、これまで作成したドキュメンテーションをもとに行っているとのことでした。
保育への理解が深まったことで、家庭から素材を提供してもらったり、保育に参加・協力してもらうことも増えてきた」と語る作本先生。これは始める前は予想していなかった効果だということでした。

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伊佐中央幼稚園さんでは、ドキュメンテーションは日誌の役割を果たすということで、「ドキュメンテーションを作った日は日誌を書かない」というように業務の効率化も実施しています。作本先生は、「これからもデジタルとアナログそれぞれの良さを生かし、ドキュメンテーションをさらに進化させていきたい」と締めくくってくれました。

伊佐中央幼稚園さんのインスタグラムもとても素敵なので、ぜひご覧ください!

【福島県福島市 福島わかば幼稚園 事務⻑・美術講師 草野先生 】(48分10秒〜)

アートに力をいれている福島わかば幼稚園。今回ご登壇くださった草野先生は美術講師として、子どもたちに絵や造形を教えています。プロが使う画材を使って、さまざまなアート活動を行っているそうです。
アート活動を通して、さまざまな価値観、多様性を身に着けてほしい」、そんな思いで、日々こどもたちと向き合っているということでした。

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「この抽象画、何を描いているかわかりますか?」と問いかける草野先生。「アート活動はパッと見て何をしているのかが伝わりづらいため、ドキュメンテーションで活動のプロセスを見せることは非常に重要だ」と語ります。
先生がどんな気持ちで日々保育を頑張っているのか、子どもたちがその思いをどう受け取っているのか、ドキュメンテーションを通して家庭に伝えることで、園と家庭で感動を共有することができる。それがドキュメンテーションの意義だと感じていると、草野先生はお話してくれました。

ここで、福島わかば幼稚園さんの実際のドキュメンテーションをご紹介いただきました。先生が教材研究をするところから、子どもたちの活動までを動画のドキュメンテーションにしていました。先生も子どもたちも楽しんでいる様子が、とてもよく伝わってきました。

ほかと違う特色を打ち出している園ほど、ドキュメンテーションに積極的に取り組むべき」と草野先生。おうちえんドキュメンテーションは、園内だけ・園と保護者だけで情報を共有できるので、プライバシーを気にせずに動画・写真を気軽に投稿できるのがよい、とお話してくださいました。

さて福島わかば幼稚園さんは、来年の春に作品展を開催されます。
日程:2022年3月27日(日)〜30日(火)
会場:せんだいメディアテーク


「ご興味ある方は、ぜひご来場ください!」と草野先生。福島わかば幼稚園さんのインスタグラムも素敵ですので、ぜひご覧ください。

【実践から見たドキュメンテーションの効果】(1時間14分24秒〜)

続いて、スマートエデュケーション大澤から、さまざまな導入園の先生から聞いたドキュメンテーションの効果、また最初の一歩として何から始めたらいいのかなどをお話させていただきました。

【パネルディスカッション】(1時間26分30秒〜)

パネルディスカッションでは、まずご登壇いただいた園さんに他園の事例を聞いての感想や質問をお話いただきました。

「ドキュメンテーションは子どもをめぐる社会的課題を新しいやり方で解決できるツールだ」とふじようちえんの加藤先生。「子どもの様子を社会に発信することが幼稚園・保育園・こども園の役割。子どもの多様性を理解し、受け入れるやさしい社会をつくるために、いろいろな園さんと一緒に頑張っていきたい」とお話してくださいました。

最後は質疑応答の時間です。参加者のみなさんから、たくさんご質問をいただきました!
・園だよりのICT化が賛否両論を呼んでいる。ICT導入でどのような業務が削減されたか。
・おうちえんドキュメンテーションで、出席・欠席の記録や内部メモを記載することは可能か。(こちら、可能です!)
・おうちえんドキュメンテーションで監査の対応は可能か。
・ドキュメンテーションの振り返りをするときに一覧で見られる機能はあるのか。
・ドキュメンテーション作成の時間確保はどのようにしているのか。
・ドキュメンテーションの職員間の共有、話し合い、振り返りなどはどうしているのか。
などのご質問をいただきました。詳しい内容は、ぜひ動画をご覧ください!

【次回予告】
● 来年の春におうちえんがリニューアルされます。その名もMyおうちえん!
リニューアル後は園児ごとのマイページができ、個人の成長をまとめて管理することが可能になります。以下の日程でオンライン説明会を実施しますので、ぜひご参加ください。
2021年12月17日(金) 第1回 13:00~14:00  第2回 16:00~17:00
2022年 1月24日(月) 第3回 13:00~14:00  第4回 16:00~17:00

● <おうちえんセミナー>園の魅力を伝えるには?今どきの園広報 ”LIVE配信”
日時:2022年1月27日(木)16:00〜18:00
場所:Zoomによるオンライン形式



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