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気持ちを伝える方法、寄り添う方法

我が家の8歳(小二長女)が「今日学校からの帰り道で、三年生か四年生が、校内の入ってはいけないところにいたから『そこは入ってはいけないところだからダメだよ』と言ったら『そんなことあなたに言われるのはおかしい』と言われてしまった」としょんぼりしながら話をしてくれた。

8歳(小二長女)は、いわゆる「正義感」が強いタイプで、決められたルールから外れていることを見たり知ったりしたときは、相手が年上であっても自分が言って相手を正したい性格。ルールは誰でも守るべき!と信じている。

年下から注意された三年生か四年生はイイ気はしなかっただろう。で、そんなふうに言い返した。まあ子供同士のやりとりではたまにあることなんじゃないかな。

この話を聞いた夫は「そういうときは、直接言わないほうがいいよ。直接言うとあとで反撃されるかもしれないから」と娘に伝えていた。確かにそういう考え方もある。先生に伝えて、先生から言ってもらうほうが、娘の安全は守られる。

でも私は娘が、失敗すればいい、と思う。正しいことを伝えるにも、こういうふうに言うと相手を怒らせるとか、そもそも言わないでもいい程度のことなのかそうじゃないのかとか、自分で考えたり感じたり学べることがあると思う。娘の話の内容からしてそこまでの緊迫した状況になっているわけでもなさそうだし、たとえ相手から何か言われて娘の気持ちが傷ついたとしても、傷はそんなに深くならない程度だろう。日常的にありえる範囲の話だ。子供のうちに小さな失敗を重ねるのは大事なこと。

リスク回避回避でぶつかることを避けていくと、話合いが苦手になるだろうし、コミュニケーションが苦手になるんじゃないかなと思う。コミュニケーションが苦手、って書いてしまえばシンプルだけど、これって大問題で、例えば恋愛なんてどうやっていくんだろうと思う。相手とお付き合いが始まったら、山あり谷あり、相手と自分の思いや考えのすりあわせがずっと続くのだから。

「正しいことを伝えたのにイヤなふうに返されてしまった」という題材で、夫はリスク回避の持論を展開し、私は「娘が考えてやって失敗すればいい、失敗していろんな気持ちを感じて経験することが大事。リスク回避するほどの状況ではない」と考えを言って、なぜか大人(夫と私)の議論が白熱し、気がついたら娘は隣の部屋の布団のうえで漫画を読んでいたのでした。(我々の話は聞いていた様子。)

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最近、糸島市の「いとしま市民ファシリテーター養成講座」というセミナーに参加しており、2回目の講義で「NVC(Nonviolent Communication)」非暴力コミュニケーション・共感コミュニケーションという考え方を学んだ。

講座ではNVCの内容は駆け足だったので、本を買ってもうちょっと勉強してみることにした。


子供の問いに対しての回答や、はたまた行動を促す際、「親だから」「大人として」「常識的に」「経験から」子供の感情を抑え込む状態にもっていきがちなところが私にはあって、正直、治したい。

それと、長女は感情の起伏が激しいうえに、先にも書いたように正義感いっぱいの性格なので、俯瞰して見ることや気持ちの出し方を工夫することを都度都度伝えてはいるのだけど(まだ8歳ということもあり)上手にはできない。(ちなみに5歳の次女はわりとこういうことは上手。生まれ持った性格の違いがあるなあと感じる。次女の存在のおかげで、我が家はだいぶまろやかになったのは確か。)

NVCは「行動」「感情」「ニーズ」「リクエスト」という4要素にわけて、相手の気持ち、自分の気持ちを整理していく方法で、相手も自分も否定しないし、気持ちの寄り添い方がわかる。なにより安心感が生まれる。大人の力で子供を抑圧しない大変良い方法だ。

私は子供の頃、私が親に投げかけた問いに対して、満足する回答を得た記憶がない。それは「私は〇〇と思うけれど、あなたはどう思う?」という言葉がなかったから。「大人が言うから正しい」「世間一般的にそういうふうにする」「今までこの方法でやってきたから」。私の両親に学がなかったわけでも優しくなかったわけでもないし、そういう時代に生きていたからというところが大きいけれど、これからは過去の時代とは違うので、自分が当事者意識をもって考えなければならない。とりあえず私は、私がされたかったように自分の子供に対して接しようとやっている。

正しいこととは、誰にとって正しいのか、誰かにとっては正しくないのか、どうしてそうなのか。私の思いや考え、相手の思いや考え、共感をはぐくむにはどう話しをしたらよいのか。私も考えながら、家族にも共有していこうと思う。

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NVCで子育てできれば、すごくいい!とは思うけれど、きっちりやろうとするとけっこう大変。けっこう大変な修行(私が)。しかしできる時だけでも、できるだけでも先々違うはず。がんばります・・・読んでいただいた方も、興味がわいたらぜひNVC見てみてください。

読んでくださってありがとうございます。

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