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女だけど金髪ベリーショートにした話

今年の1月に美容室に行ったときに、思い切って初めてベリーショートにしました。
今までも髪は短いほうではあったけれど、縮毛矯正をかけていたためある程度の長さはありました。しかし、毛の長さが2㎝程度かあるいは刈り上げまでしたのはこれが初めてです。

ここまで短くした一番の理由は、まず縮毛矯正を辞めたいからでした。
初めてショートカットにした中学生の頃から10年以上縮毛矯正に依存し続け、「私の髪はくせ毛だから、毛量が多いから」と3ヶ月に一回20000円弱払って髪を真っ直ぐに直してきましたが、それで思い通りのさらさらヘアーが手に入ったかと言えばそうではありませんでした。
縮毛矯正って無理矢理髪質を変えるので、針金を頑張って真っ直ぐにしたかのような、違和感のあるストレートなんですよね。どこの美容室に行っても、美容師さんからは時々「矯正かけるのやめたくならないんですか、地毛のクセを活かすスタイルにしてみてはどうですか」と言われて、実は縮毛矯正はあまりおススメしていませんという雰囲気を出されていました。

なぜ今年になっていきなり縮毛矯正を辞めようと思ったのかは、特にきっかけはありません。でも正直、髪の毛に限らずなんでも「型にはめる生き方をもう辞めたい」と思っていたのが大きかったですね。
特に容姿、まず私は黒髪ロングでさらさらしたストレートヘアがこの世で最も美しいと思っていました。それに、ふわふわしたかわいい服を着て、スカートをなびかせて、おしとやかで女性らしく生きることが、女の幸せであり、女として生まれた自分の宿命だとも思っていたんです。
だけど、縮毛矯正で痛んだ髪の毛を必死にケアすることも、世間から求められる「女性らしさ」を手に入れようとすることも、なんかもう疲れちゃったんですよね。どう頑張っても私の髪の毛はくせ毛だし、世間の男子が夢見ているような女の子にはなれないし、私は私以外にはなれないんだと。

結局ベリーショートにしても、私の悩みであるくせ毛も多毛も解消されず、なんだか変にもっさりして困っていました。そこで3月に職場の上司に了承をとってから、さらに髪を短くして金髪にしてみました。
まず、今まで美容室に行っていたのを辞めて、1700円でカットしてくれる床屋に変えました。1月のカットは、女性らしさを残すベリーショートだったのですが、今回は床屋なのでメンズ風じゃなくて、本当の漢カットみたいになりました。
それから別の美容室に行って、ブリーチだけをしてもらいました。限界まで色を抜いてもらったのですが、「普通の人なら、ここまでやったら髪がちぎれるのに、あなたの髪質は最強でした!」と言われました。今まで髪質が固いことに悩んでいて、そのせいで縮毛矯正もなかなかうまくいかなかったのですが、逆にブリーチだと利点になるみたいですね。見方を変えれば、短所も長所になるって、まさにこのことだと一人で感心したものです。

そんなこんなで、私は今めっちゃ髪の短い金髪の人、になっています。仕事ではユニセックスの作業着を着ているため、上半身だけを見たら男性と見分けがつかないかもしれません。
職場のおばさんからは、「なんかすごい見た目になったね。中身とギャップがある」と言われるようになりました。
確かに私は、男みたいな髪型をしているけど男になりたいわけではなく、性格は普通の女性です。「男になりたいの?」「女が好きなの?」と聞かれたりもしましたが、全くそんなことはありません。普通に、普通の女性です。
だけど、傍から見れば「男になろうとしている女」に見えるかもしれません。でも、どんな髪型にしようと、どんな見た目であろうと、私を決める本質は何も変わらないのだと気付けた今では、そんな他人からの目線などどうでもいいことだと思っています。

職場のおばさんからは、「結婚したくないの?」とも言われました。
確かに、異性から見初められるためには、相手が求める容姿になろうとすることも大事なことですよね。
結婚は、諦めてはいないです。合う人がいれば付き合いたいし、結婚までいけて、子供まで恵まれたらそれは非常に幸福なことだと思います。
だけど、「美しい女」とか「金のある男」とか、人をカテゴライズする生き方は自分も相手も苦しいだけだから。容姿や格好のせいで、興味をもったり親しくなってくれる人の数はガクッと減ってしまうかもしれないけれど、それはそれで仕方のないことだと諦めることにしました。
人の本質は魂であり、肉体は借りものに過ぎません。きっとこの世のどこかには、容姿にとらわれず本質を見てくれる人がいると信じています。……いるといいな。


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