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クリニック開院まで

クリニックを開院して早4か月が過ぎました。開院前までは、なかなか険しい道のりでしたが、オープンしていしまうとあっという間。スタッフの皆様に支えられて、楽しく診療しております。だんだん駐車場が足りなくなってきて、患者様から苦情が入るようになってきました。ありがたいことです。何とか周辺の駐車場を確保しようと不動産屋さんにもがんばってもらっている今日この頃。

ここまでの道のりを、物語にしてみようと思います。

尚、この物語はフィクションです。


1-1

Hは東北の田舎にある雪の多いところで生まれた。本名は父親の名を一字もらったものだった。生まれたときはやや小さめの2800g程度の男の子だった。生まれた病院は、両親が働いている総合病院で、後にH自身も医師として働くことになる縁のある病院だ。この病院には叔父、叔母も働いていた。生まれて退院と同時に住むことになったのは、生まれる直前に完成した僕の実家だ。自然と僕と家は同い年ということになる。まだ塀の完成していない、僕同様生まれたての家は南からの日光が強く入ってくるところだった。庭の木々も数本しかなく、これから桜、松、百日紅、モミと増えていくところだった。深い緑色の畳の上にタオルをしいて寝かされていた僕は、もちろんその時の記憶は残っていない。この景色がありありと見えるのは、アルバムを眺めたおかげだ。子供の頃の記憶とはあいまいなものだ。夢で似た景色だったのか、本当にそこにいったことがあるのか、判断がつかないことがある。特に、何度も同じ景色を夢で見ていると現実世界にもその場所が存在していて、いつかいってみたいと思うように。


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