見出し画像

気になる。

趣味は、人間観察です!

なんていう台詞に酔って愛用していた時期がある。
その頃から、4、5年経ったからこそ思うが、
私は基本、人に興味がない。
なんだ、真逆じゃないか、と苛立たないでほしい。
なぜそのような趣味をうそぶいていたのかというと、
ときどき、猛烈に気になる人や存在が、不意に表れ、脳内を占拠するからである。

人間らしい人が好きだ。
よくも悪くも、奥行きがあってほしい(ギャップとはまた違う)。
能面のような、温度を感じない、誰にでもよい顔をする人が私にとっての一番の天敵である。

うわ〜この人、気になる。知りたい。と思った対象に対しては、観察を行うということである。

「沖縄」「赤」「初心者」

2年弱の間ずーっと、空白を貫いてきた私の駐車場の左隣に、その車はいた。
朝、眠気眼で出勤しようとしていた私の目は、見開いた。
そこに車があるという事実だけでも、かなりの驚きである。
だが、よくよく眺めてみると、気になる情報が3つもあった。

私の中で、赤い車と初心者は、絶妙に手を取り合わない関係にある。
初心者と馴染みが深いのは、白、黒、茶、青、緑、ピンクだ。
角度の大きな偏見だというのは重々承知だが、私にとってはそうなのだからしょうがない。
赤い車は、1発目に買った上記の無難な色の車に乗りながら、窓越しに出会って、「あ、素敵だな」「次は赤にしようかな」と思うものである。何度も言うが私にとっては。
初心者ながら、1発目の車に赤い車を選択できる人。気になる・・・

お、、おきなわ!?沖縄だと!?
沖縄で、赤い車を買って、この北九州の辺鄙な街の、なんてことのない、ただ壁紙が木目調でかわいいだけが取り柄のアパートに引っ越してきたのか・・・

なんのために?仕事の転勤?結婚を機に?地元から逃げ出したかった?
でも大卒でこっちに就職?でもそれにしては時期が微妙では?
そもそも食に気候に文化に魅力MAXの沖縄を離れる気が知れない。
こちとら、沖縄で島らっきょとオリオンビールを飲みたいという欲望を日々抱えて生きているのに。
うお〜気になる。
持ち主の顔うんぬんではなく、ストーリーが気になる。話したい。話して、「そっかぁ〜」って言いたい。

張り込むぞ。
あんパンと牛乳買ってこよ。

suke

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?