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【大月書店通信】第154号(2021/11/30)

今月、英国グラスゴーで2週間にわたり開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)。

産業革命前からの気温上昇を1.5度未満に抑えるという目標が正式に盛り込まれ、各国がCO_2排出削減策を次々に発表するなか、日本政府は岸田総理の初参加にもかかわらず、石炭火力の廃止に消極的として、いきなり不名誉な「化石賞」を与えられてしまいました。

2030年までに抜本的な対策を講じなければ、人類の存続さえ危ういというのが国際社会の共通認識になっていますが、日本だけ別世界にいるかのようです。

奇しくもCOP26の開幕と同日だった総選挙でも、気候問題やジェンダー平等が有権者にアピールしたのかが論議されていますが、本来そんな議論をしている余裕はないはずなのですが……。

今月発売の『気候変動 何がおこる? 何ができる?』はイタリア発の児童書ですが、内容は決して甘くありません。海面の上昇、気象災害、砂漠化など、温暖化に伴うさまざまな問題を科学的に解説。このまま温暖化が進めば訪れる荒廃した未来予想図と、それを避けるためにできることを紹介しています。

ぜひ大人も一緒に読んで考えてみてください。

【新刊案内】『不平等の進化的起源』ほか11月の新刊

11月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●進化ゲーム理論で解明する不公平の根源
不平等の進化的起源――性差と差別の進化ゲーム
ケイリン・オコナー[著] 中西大輔[監訳] 2,600円(税別)

人間社会はなぜ不平等を生み出すのか? 最新の進化ゲーム理論に基づき、性別や人種といった差異によって社会が分割される理由と、それが格差や不公平を必然的に生み出すメカニズムを解明する、斬新かつ画期的な研究。

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●地球温暖化の原因と影響をビジュアルで解説
気候変動 何がおこる? 何ができる?
アンドレア・ミノリオ[文] ラウラ・ファネッリ[絵] 江守正多[監修] 関口英子[訳] 3,600円(税別)

地球の気温がこれ以上上がるとどうなる? 海面上昇、森林破壊、気象災害、砂漠化など、さまざまな問題を科学的なしくみから解説。温暖化を食い止め、持続可能な世界をつくるために私たちにできることを提案する図解絵本。

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●特集=「主体的」を評価するということ
月刊 クレスコ12月号 no.249 500円(税別)

新学習指導要領の実施に伴う「主体的に学習に取り組む態度」の評価をめぐって、学校現場で混乱が生じている。子どもの活動や内面を束縛するのではなく、学びと育ちを助けるための評価を考える特集。

【話題の本】書評続出・4刷決定!『差別はたいてい悪意のない人がする』

8月に刊行した『差別はたいてい悪意のない人がする――見えない排除に気づくための10章』(キム・ジヘ 著)、書評が立て続けに出ています。

好評につき4刷決定です!

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【イベント】故・半藤一利さんの『焼けあとのちかい』に学ぶ ほか

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★ 故・半藤一利さんの『焼けあとのちかい』に学ぶ ★
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1月に亡くなられた半藤一利さんの絵本『焼けあとのちかい』(大月書店)の朗読&トークイベントです。

この機会に、親子で戦争と平和のことを考えたいですね。

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★ トークイベント「韓流と嫌韓、そして日韓・日朝関係」 ★
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7月に刊行した『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』は現在4刷。

著者である一橋大学社会学部 加藤圭木ゼミナールの学生たちが出演するイベントがあります。

『毎日新聞』でも本書が紹介されました。

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★ 『ケア宣言』選書フェア2つ ★
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7月に刊行した『ケア宣言――相互依存の政治へ』(ケア・コレクティヴ 著)を、いま開催中の2つのフェアで選書していただいています。

☆小川公代さん(英文学研究者)によるフェア紹介動画

関連書も魅力的な本ばかり。ぜひ棚をご覧ください。

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【お知らせ】NHK「100分 de 名著」、12月は『資本論』アンコール放送!

古典の歯切れよい解説で好評のNHK Eテレ「100分 de 名著」。12月はなんと、1月に放送されたカール・マルクス『資本論』の再放送(アンコール放送)!

スタジオに並べられた真っ赤な国民文庫版『資本論』は、講師の斎藤幸平さん(大阪市立大学)からも「最良の翻訳」とご推薦いただいています。

12月6日(月)午後10時25分~10時50分
12月8日(水)午前5時30分~5時55分
12月8日(水)午後0時00分~0時25分

小社の関連書もよろしくお願いします!

【編集後記】

神田川沿いの道を少し入ったところにある本郷給水所公苑は、敷地の半分がバラ園、もう半分が日本庭園になっています。バラの見頃は5月と10月で、秋の花が少なくなって少し経つと紅葉が色づいてきます。以前は昼休みに毎日のようにここへ来て、ゆっくりと変わってゆく風景を楽しんでいました。今年は在宅勤務が増え、週に一度か二度、人通りを避けて通勤するのに通るようになり、そのたびごとに濃くなる葉の色を新鮮に感じています。(AY)



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