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サークル選びの失敗談【東大生】


はじめに

4月に入り、自分がついに「大学生」という身分を失ったのを、しみじみと感じている。といっても私は理系で大学院に進学しており、これまでと何も変わらない生活を送っている。4月1日から社会人として働く同級生を尻目に、ゆるゆるなスケジュールを謳歌しているわけだ。

さて4月のこの時期における新入生の最大の関心事は、「どのサークルに入るか」であろう。新歓も始まっているかもしれない。今回は、高校時代ぼっち陰キャだった私が4年前の1年生の時どのようなサークル選びをしたのか、そこに入ってみてどうだったのか、今振り返ってみてその選択をどう思うか今ならどうするか、について振り返りたいと思う。私の体験談が、同じような性格の新入生の参考になれば幸いである(新入生がnoteを見ているとは思えないが)。

どのようなサークル選びを行ったか

大学入学当時の私のスペックを説明する。

・中高6年間、実質的に帰宅部として過ごす。塾、学校、家を往復するだけの毎日
・友人が一人もいなかったわけではないが、学校にいる時間に少し話す程度。中高6年間で、クラスメイトと学校外で遊んだ回数が10回未満。
・テレビ・ゲーム・漫画といった娯楽を全般的に禁止する家庭で育ったため、かなり無知で世間知らず
・「運動部陽キャ」コミュニティに馴染めないのは当然だが、アニメやゲームを禁止されていたため、「オタク」コミュニティにも入れない。

このスペックを見ればわかる通り、かなりレベルの高い陰キャであった。大学に入って、この状況を変えたいと強く思っていた自分にとって、サークル選びは重要であった。結論から言うと私は、①マイナーな体育会と②意識高い系サークルに所属することになる。


①意識高い系サークルに入った理由
今思うと、なぜこういうサークルに入ったのか非常に不思議である。当時は超進学校に通っていたころの延長で、「意識高いことをしている人が優れている」という価値観に毒されていたため、自分も所属して「何者か」にならなければと思っていたのだろう。

②マイナーな体育会に入った理由
中高6年間運動部に所属してこなかったコンプレックスから、大学では運動をしたいと考えていた。かといって自分は基本的に運動音痴であるため、サッカーやテニスといった王道スポーツはできるはずがない。またスポーツ系のサークルはインカレが多く、陰キャの自分は馴染めないだろう。学内のほうが居心地がいいかもしれない。漠然と体育会は就職に強いという話を聞いたことがある、、、

こういったことを考えて、学内限定でかつマイナーな体育会(東大では運動会という)に入った。

入ってみてどうだったか

①意識高い系サークル
こちらは案の定、全く合わなかった。超進学校と同じような競争的な雰囲気だったのである。メンバーもみな優秀で、起業しているなど尖っている人が多かった。自分のような特に個性もなく平凡な人間(と当時は思っていた)の居場所はなかった。半年ほどで辞めた。

②マイナーな体育会
こちらは始めはまあまあ居心地がよかった。落ち着いた感じの人が多く、競技との相性も良かった。実際、未経験ながらレギュラーに選ばれたこともあり、自信につながったと思う。

しかし3年生くらいから居心地が悪くなっていった。これは部活が悪いのではなく、私の価値観が変わったためだった。

入部当時、高校生の延長だった私は、「ぼっち」という自分の性格を維持したまま馴染めるコミュニティを探しており、その点でこの体育会は合っていた。大学1、2年生の頃は、ぼっちである自分を当然視していたため、この部活でぼっちとして過ごすことに疑問を持たなかったのである。飲み会とかもなく、一人で行動していても許される雰囲気だったので、居心地が良いとすら思っていた。

しかし3年生になり、後期課程の学科に所属して私の生活は大きく変わる。初めて仲のいい友達ができ、友達グループに所属できたのである。当時の心境はこの記事に残している。

友達ができ、彼らと「遊び」を経験するにつれて、部活でぼっちとして過ごしている自分とのギャップが大きくなった。学科ではそこそこ友達がいるにも関わらず、部活ではぼっちキャラが定着しており、今更変えることができない。また「ぼっちとしての居心地」は良くても、「友達になれるか」という視点で考えた場合、この部活には自分と相性がいい人がいないとわかった。(ちなみに友達になれるかどうか、という視点もこの頃初めて獲得した。それまでは「友達がいない」がデフォルトだったので、あえて考えたことがなかったのである)

また世界が広がり、課外活動や遊びなどをもっとしたいと思ったが、部活は拘束時間が多すぎた。

こんな感じで、やる気がどんどん低下していき、3年の途中で退部することにした。

今ならどうするか

このようにして最終的に私はノンサーになってしまった。学科や研究室というコミュニティに所属できていたため、辞めてからも居場所がないということはなかった。しかし、やっぱり卒業まで続けられるサークルや部活があったほうが良かったと思う。

最後にサークル選びの反省と、今ならどうするかを考えてみよう。

①体育会に入ってしまった
入部する前からある程度分かっていたことだが、体育会は拘束時間が非常に多い。大学1年時点では「自分が何をやりたいか」が分かっていなかったため、拘束時間が多いことは特に疑問を持たなかったが、学年が上がりほかにもやりたいことが生じると、両立が難しい。4年間打ち込みたいという強い思いがなければ、やめた方がよいと思う。

体育会が就職にいいといいつつ、マイナースポーツでしかも私のように平部員だったら特にその恩恵は受けられないと思う。

②1つのコミュニティに限定してしまった
意識高い系サークルを辞めてからの約2年間は、体育会のみに所属していた。拘束時間が多かったためしょうがなかったが、やはりコミュニティには他にも複数所属しておくべきだったと思う。そのほうが居心地がいい場所が見つかりやすいし、1つを辞めた場合のリスクヘッジになるからである。

③学内限定のコミュニティに所属した
大学入学当時は、インカレは怖いイメージを持っていた&同じ大学の人間関係を充実させたいと思っていたため、東大生限定のコミュニティに入ることを重視していた。しかし今思うと、緩いインカレサークルのほうがなじめたのかもしれない。

イブリースさんや東大卒の人生を考える会さんが言及している通り、東大生限定のコミュニティは競争的・官僚的な雰囲気が強くあまり自分はなじめなかった。また「東大生」であることで学歴的に優位に立つこともできない。平凡な陰キャにとって居心地が悪いのである。恋愛は当然不可能だった。

もちろんスポーツ系の激しいインカレは馴染めないだろうが、インカレも千差万別なので、緩い感じの所ならむしろ気楽にやりやすかったのかも、とは思う。

以上を踏まえて最後に、今ならこう動くという戦略を示そう。

・最初は複数(4~5個程度)のサークルに所属し、居心地がいいコミュニティを探す。
・運動系と文化系、インカレと学内など、属性の異なるコミュニティに所属する。1つに絞るのはよくない。
・意識高い系サークルには1年生段階では入らない。ある程度経験を積んでから入る。この手のサークルは、途中入会しやすいから。
・旅行や登山、マイナースポーツといった、参加ハードルが低い&拘束時間が少なく続けやすいインカレに所属してみる。

陰キャ大学生のサークル戦略



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