ロボット・ロバータの暴走
君の心になにが起こった?ロボット・ロバータ。
まるで複製されたコピー用紙みたいに、君は同じ単語を出力し続ける。ロボット・ロバータのCPUはそんなに高性能じゃないから、このままだとフリーズしてしまう。
強制終了だけはしたくないんだ。だから、いったん君からの出力を止めて欲しいんだ。ロボット・ロバータ。
君は火星でもすごく旧式のアンティーク型ロボットだから、もう交換部品も用意できないんだ。わかるかい?
君がどんなに暴走しようと、僕は君を止めてみせる。それが僕の仕事だし、古物商の僕の生き甲斐なんだ。さあ、言うことを聞いてくれ。
出力データは全部「排除」ばかりじゃないか。そんなの延々と発信されなくてもわかる。それに、君は一体なにを「排除」するつもりなんだい?
君にとって都合の悪いものを「排除」したいだけじゃないか。そんなのひどいよ、ロボット・ロバータ。
もっと世界を見回すんだ。この世の中は、君の都合の良いように出来上がっているわけじゃない。君は100パーセントのロボットだと思っているのかい?
「排除」のあとには、仲間の信頼だって失ってしまう。君をこれまで支えてくれた、いろんな人たちの心をがっかりさせてしまう。
今、そんな君でも支持してくれる人が、たとえいたとしても、きっと君は「排除」するだろう。この世の悲劇はだいたいそうして終わる。君はこの世界の暴君になってしまった。
だから、止まって欲しいんだ。ロボット・ロバータ。
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