『ウルトラマンブレーザー』第9話「オトノホシ」を観た。
今回の『ウルトラマンブレーザー』第9話「オトノホシ」…、『ウルトラQ』からの伏線が張られてました。
『ウルトラQ』の第13話「ガラダマ」、第16話「ガラモンの逆襲」を知るからこそ楽しめる…そんな伏線が張られた物語でした。
『ウルトラQ』のガラモンを知らない人達は、この「オトノホシ」を観てどう思ったのでしょうか…。
意味が判らないや、突っ撥ねるような印象では勿体ないので、今回は『ウルトラQ』のガラモンから解説します。
『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」
(「Wikipedia」より抜粋」+加筆)
群馬県の山奥にある弓ケ沢一帯は、落雷や隕石のメッカであった。土地の人々は隕石のことをガラダマと呼んで恐れていました。
ある日、弓ヶ谷に小型の隕石が落下します。
村の少年マモルが薪拾いの帰り、弓ケ沢では隕石を発見し、持ち帰った隕石を学校の先生へと渡します。
一の谷博士がその隕石を調べることになり、隕石や隕鉄ではない「チルソナイト」というガラス状結晶体だと断定されます。
博士、万城目 淳、戸川 一平は、現地調査を行うため弓ケ沢に飛びます。
やがて隕石からは謎の誘導電波が発信され、太陽で黒点とは無関係のデリンジャー現象が起きると、ほぼ同時に弓ヶ谷付近の熊谷ダムへは巨大隕石が落下し、そこから奇怪な獣、多角獣の怪物「ガラモン」が現れます。
※ 先の小型隕石は、遊星人(宇宙人)に代わってガラモンに指令を与え誘導するための宇宙金属チルソナイト製の電子頭脳。
※ 落下した巨大隕石は遊星人が、地球侵略のための侵略兵器の運搬用チルソナイト製カプセル。
電波研究所に持ち込まれた電子頭脳は、電気ノコギリの刃を受け付けず、地球人の技術による解体(分解・破壊)は不可能でした。
所員たちが手をこまねいている間に、ガラモンはダムを破壊し、電子頭脳のある場所=東京を目指して進撃を始めます。
三国山脈にある熊谷ダムを破壊し、電子頭脳のある場所=東京を目指して進撃を始めたガラモンは、江戸川 由利子の機転で、電波遮蔽網によって誘導電波を遮断された途端、口から体液のような粘液を放出し、体内機能が完全に停止状態となります。
『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」(「Wikipedia」より抜粋」+加筆)
「ガラダマ」の続編エピソードとして作られた作品です。
天体物理学研究所の大金庫の中に厳重に保管されていたガラモンを誘導する電子頭脳が、何者かによって持ち去られる怪事件から物語は幕を開けます。
※ 電子頭脳はチルソナイトという未知の物質で作られており、地球の技術では破壊できないことが劇中で語られています。
天体物理学研究所の守衛によると、電子頭脳が自力で金庫を破り、逃げ去ったという。由利子から連絡を受けた万城目は、電子頭脳が自力で動く能力を持っていることに不審を抱きます。
天体物理学研究所に現れた謎の男は、「エスパライザー」というあらゆる物体を遠隔操作できる特殊な装置を使い電子頭脳を盗み出していました。
謎の男は電子頭脳をチェロ・ケースに忍ばせ、気のいい運転手・牛山を利用し、トラックに乗り込み東京を離れます。
電子頭脳が発する電波をもとに、所在を確めようと考えた万城目たちは電波監視所へ急行します。しかし、四時間を経過しても、怪電波をキャッチすることは出来ませんでした。
漸く電波をキャッチするも、既に電子頭脳の誘導によってガラダマの編隊が地球に向って飛来していることが判明。
活動をはじめた電子頭脳は誘導電波によって、ガラダマを地球へと呼び寄せています。
ガラダマが地球に落下する迄…あと30分。
電波の発信元から、電子頭脳が上信越方面へ向っていることを知った万城目たちは追跡を開始します。
しかしその頃、ガラダマは既に東京へと落下、ガラモンが出現しす。
再び現れたガラモンによって、東京は崩壊の危機に瀕していくのでした。
東京上空に飛来するガラダマ。
その中から複数のガラモンが現れ、うち2体以上が東京に出現、街を破壊します。
胸部に矢印状のマークがある特大の個体が、東京タワーを揺さぶり倒壊させます。
漸く、電波発信していたトラックに追いついた万城目たちは、運転手からチェロ・ケースを持った男を乗せたことを聞き出します。
チェロ・ケース中に電子頭脳が隠されている事を察した万城目たちは、怪しい男の行方を追います。
漸く男を追い詰めるも、エスパライザーで電子頭脳を操り攻撃され、近づく事は叶いません。
男は奪還した電子頭脳を、近くの湖底に隠した円盤へと運ぶためトラックを奪い移動します。しかし、万城目たちに阻止され、電子頭脳は回収され電波を遮断する事に成功します。これによって複数のガラモンは一斉に機能を停止します。
男は、都合よく利用したつもりでいた牛山の手によって、背後から拳銃で撃たれ、遂に万城目たちの前にその正体をあらわにします。それは「遊星人Q」と呼ばれる「チルソニア遊星人=セミ人間」でした。
湖底から円盤(宇宙船)が現れ、仲間の出現に円盤に向かい手を振った次の瞬間、円盤から怪光線が発射され遊星人Qは炎上するのでした。
※ おそらく遊星人Qは、工作活動に失敗したため、容赦なく抹殺されたのでしょう。
さて、今回の『ウルトラマンブレーザー』は様々な情報てんこ盛りでした。
楽団メンバーの正体がガラモンを操る「セミ人間」で、ツクシ・ホウイチ、クロイワ・チッチ、ニイゼ・ミチ、ヒグラシ・カナデという、それぞれがセミをモチーフにした名前を持っていましたね。
更に、東儀秀樹さんが演じた「ツクシ」が楽団でチェロ演奏を担当しているのは、『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」で、怪しい男こと「遊星人Q」が電子頭脳を隠していたチェロ・ケースに因んでいたこと。
不協和音から始まった楽団の演奏は「ウルトラQのテーマ(作:宮内国郎)」の旋律でした。何とい心憎い演出でしょうか。
エンディング画面もモノクロでレトロな雰囲気でした。曲もウルトラQのテーマのアレンジを使った特殊EDで、今回独特の雰囲気を表していました。
ブレーザーさん、何故か野菜ジュースに興味を持ち、ゲント隊長の左眼に出現して、身体乗っ取ってヤスノブから野菜ジュース奪い取って飲んで、我に帰って咽せてましたね。野菜ジュースが嫌いなゲント隊長にとっては災難でした。
更にゲント隊長の覚醒時の意識に現れたブレーザーさん、初対話でのやり取り…。
「ブレーザー…いやブレーザーってのは俺が勝手に呼んでるだけなんだけど、これからそう呼んで良いかな、良いよね…、それでブレーザー、さっきのアレは君がやったの? 野菜ジュース好きなのかな? 俺の言ってること判るかな?…」
と、その直後のブレーザーストーンの発熱は、何か因果関係があるのでしょうか。
物語のラスト、ツクシ・ホウイチはこう言いました。
我々はこの星の人間ではないからね。
銀河のあちこちに同志をばら撒き、呼び寄せ奪い尽くし、去って行く、それが我々だ。
この星で装置を起動させ、呼び寄せた。
あとは奪うだけだった。
だが…出会ってしまった…音楽に。
我々はすっかり夢中になってしまった。
遂には、自らの手で奏でたくなってしまうほどに…。
しかし、時は来てしまった。
…と。
アンリは言います。
おじさん、なんで。
なんでわたしにチケットを送ってきたんですか…わたしに止めて欲しかったからじゃないんですか…
そして、ツクシ・ホウイチの最後の言葉はこうでした。
これで楽団は解散だ。
みんな、好きに生きてくれ。
元気でな。
この宇宙に音を出す生物は沢山いる。
でも、君たちは、音を、音楽を純粋に楽しむことができる。
消えてしまわなくて良かったよ。
ありがとう。
侵略宇宙人が地球という星で音楽に出会い、またひとりの音好きな女性と出会ったことで、存在だけでなく魂まで救われた、そんな宇宙の片隅で起きた音を巡る物語。
シンプルでいて重みのある、奥深い素敵なお話しでした。
次回は、第10話「親と子」です。
9月9日9時放送、第9話。
ウルトラQ以来57年ぶりのガラモン復活。9999Qと狙ったようにみえますが偶然だそうです。
今回もネタバレになってしまいました。
楽しみにしている方、本当に申し訳なく
(T ^ T) ごめんなさいです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。感謝。
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