フォローしませんか?
シェア
弥栄 伊織(音羽屋)
2023年7月13日 18:58
炎天の空に、誰かの呼ぶ声が聞こえた。 突然の出来事に、なに事かと辺りを見回すも、それらしき人影は見当たらない。 生い茂る青葉も静かに、風ひとつなく、動くものは無かった。 声は何処から届いたものか。 言葉は判じ得ないが、高音域の人のもののように思えた。 単調に繰り返されたフレーズの、その余韻だけが届いたのだろうか。 真夏の炎天下である。 日中、この暑さに好き好んで出歩く者など居ない