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昔与太噺拾遺集

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昔与太噺をひらい集めてひとつにしました。 楽しん読んで頂けましたら幸いです😌
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#やってみた

昔与太噺 其の拾捌

山に分け入った村人たちから、猿のような爺を見かけたと実しやかな噂が流れ、巷は「UMAかバーゴンか!後期高齢霊長類 猿爺を見た!」とヘンテコなブームに沸いていた。

取材班が訪れた山奥に、それを拒むような怪鳥の雄叫びが響いた。

「ケーン!」

続く🤣



昔与太噺 其の拾漆

きび団子酸欠から蘇生した爺。
猿たちは喜びの雄叫びを上げる。
最早、猿と違和感の無い爺は、山へ帰って行く。

「ヌシの家ゃここぞ」
と諦め顔のお婆さんであった。


続く🤣

しかし…あの戦いの最中、白犬と爺がいつきび団子を頬張ったのかは謎である(笑)

昔与太噺 其の拾陸

水面に漂う爺のきび団子で脹れた頬を見て、痴れものが…と一瞥するお婆さん。
すると猿たち、川へ飛び込み猿かきで川岸へ運び、ウキィと叫び爺の腹に見様見真似のジュウドウチョップを叩き込む。
ポンポンスポポンと放物線を描くきび団子に楽しげに笑う猿達だった。

続く🤣

昔与太噺 其の拾伍

その頃、川下にてお婆さんが腰を上げた。川へ入ると川上から白犬が流れてきた。口はきび団子で溢れ頬が脹れている。
すっと腰を落とし、気合い一閃ジュウドウチョップを放つ。
すると覚醒した犬は慌てて犬かきをはじめた。
そして、その横を静かに爺は流れていった

続く🤣

昔与太噺 其の拾肆

白犬の右ストレートを爺の跳ね上げた左ガードが弾く。
犬の白腹がガラ空きになるや、その懐中に飛び込むと、胴体に四肢を絡ませ、手指足指でむんずと毛を掴んだ。
組んず解れつ、山道を転げると、その姿勢のまま川へとドボン!

恐るべし!爺の道連れ車!

続く🤣

昔与太噺 其の拾参

四つ脚で着地し牙を剥く白犬に向かい、包帯頭の老眼爺さんが、頬袋を膨らませた二匹の子猿を小脇に抱え立ち塞がる。
爺さんが口汚く ペッペっと合図するやいなや、子猿は口からどんぐり弾の連射を放つ。

身軽く往なす白犬が爺に渾身の右を繰り出した時だった!


続く🤣

昔与太噺 お久の 其の拾弐

次の日、お婆さんのきび団子入りの風呂敷を背負い、包帯頭に老眼鏡の月光仮面は、颯爽と猿騎馬に跨り山に向かう。
爺の加齢臭に、白犬は峠を駆け降り、器用に後ろ脚でイヌキックを放ち襲いくる。
垂直飛びにひらりと躱す爺。
正に芒の原の攻防である


続く🤣