見出し画像

胎児は悟っている

狭い処でじっとしていて9種みたいだ。

臍の緒を引っ張ったりして遊んでいるという。

日々世界の外殻に触れたり蹴ったりしながら、世界の外に、ただ耳を澄ましている。

この時世界の輪郭は二つある。

外から声をかけられるからだ。

その声は、時がきたら出て来い、と言う。

いくつもある声の中、自分に向けられる少数の特定の氣。

背後に存しているのは複数のリズム。

息、血流、歩行。

ここまでの閉眼に対する集注が9種。

出生後の開眼に対する集注が10種。

この二つの体癖、その差の一つは言表するところの文字であり、もう一つは視覚による身体統御由来の世界の一元化にある。

これから先、注意の集中密度が身体に積層してゆくが、次の段階は直立二足歩行に於いて始まる。

この時、必ず特別な何かが起きるはずだ。
(2019年1月16日執筆)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?