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#霧

詩『霧の夜』

詩『霧の夜』

改札を出て地上に降り立つと、
空気は少し不透明な夜だった

小さな水の粒々がゆらゆらと漂ったりくるくると踊ったりその場に数秒留まるのが見えるようだ

わたしは淡々とあるく
その夜のいつもより強く匂いを感じることに気がつき心臓がドキドキしていることがバレないように

シャンプーの匂い
煮干しの匂い
花の匂い
湿布の匂い
カレー粉の匂い
シチューの匂い
子供の頃によく泊まった軽井沢の貸別荘の匂い
泥の

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