訪問販売で出会った人 その2

陽も落ちたある日の夜、昼間に見るとそれはボロボロで、空家にしか見えなかった家に明かりが灯っていました。

おばあさんでしたが暗い時間帯にも関わらず尋ねると玄関先へ招いてくれ、話を聞いてくれました。単に、一人暮らしで寂しく話し相手が欲しかったから、と取ることも出来るかもしれませんが、何万人と向き合っているとその人が根っこの優しい人なのかどうかは分かってきます。

「生活もキツいけど、これくらいなら買ってあげてもいいよ」と言ってくれたのですが、本当にキツそうだったので、結果こちらからお断りしました。不思議と、家の前の道がぬかるんでいたことなども覚えています。

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