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7月18日、音楽史上、最も輝かしいピアニスト、2人が書くチェロのソナタが生むケミストリー!

現代もピリオドも軽やかにこなせてしまうフランスのスーパー・ヴィルトゥオーゾ、ジャン・ギアン・ケラスのチェロ、モダンもピリオドも垣根無しに丁寧に音楽を織り成すロシアの次世代ヴィルトゥオーゾ、アレクサンドル・メルニコフのピアノ(エラールとスタインウェイで弾き分けるというこだわり!)による、ショパンとラフマニノフのチェロ・ソナタ。

まずは、ショパンのチェロ・ソナタ... 冒頭、ピアノによる序奏(主題からのカデンツァ!)に触れると、嗚呼、ショパン!という思いが込み上げてくる。で、主役のチェロが滔々と歌い出し、チェロのソナタが始まるのだけれど、やっぱり、ピアノの存在、そこはかとなしに大きいか... チェロが主役だけれど、ショパンならではのピアノの輝き、しっかりとある。一方のチェロは何だか大人しい... ショパンの楽器ではない弱さ、どこかにあるのかも... が、なればこその慎重さを以って素直な音楽が紡ぎ出され、そこにショパンの哀調が共鳴し、絶妙... いや、改めて聴けば、感じ入る。

そんな演奏を聴かせてくれたケラス(チェロ)&メルニコフ(ピアノ)。別に、メルニコフが前面に出てくるというわけではないのだけれど、作曲家の性格を素直に響かせて、生まれる、チェロとピアノの配分が、すばらしく... その配分があって、今さらながらに、この作品の魅力に気付いた気さえする。ショパンだからこそのチェロ・ソナタ、味わい深い。

そして、ラフマニノフのチェロ・ソナタ... ますますピアノが華やかで、まさにラフマニノフ!なのだけれど、チェロという楽器の持つ落ち着きが、ラフマニノフらしさに、より味わいを生み... でもって、ナチュラル!いや、このナチュラルさ、ピアノだけでは味わえない感覚か...

しかし、おもしろいです。音楽史上、最も輝かしいピアニスト、2人が書くチェロのソナタ。エラール(ショパン)とスタンウェイ(ラフマニノフ)を弾き分けるメルニコフのこだわりも効いていて、まさにケミストリー!いつも以上に惹き込まれた。

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