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さぶすクラシック日誌。2022年版...

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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2023年1月の記事一覧

5月4日、"コンプリート・オリジナル・ヴァージョン"というボレロ?!ラヴェルは、まだまだ新鮮に響く!

ジョン・ウィルソン率いるシンフォニア・オブ・ロンドンによる、オーケストラの名曲としてではなく、バレエ音楽としてのオリジナルに立ち返る、ラヴェルの『マ・メール・ロワ』と『ボレロ』! CHANDOS/CHSA5280 "コンプリート・オリジナル・ヴァージョン"と銘打ってのバレエ『マ・メール・ロワ』、バレエ『ボレロ』をメインに、ラ・ヴァルス、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、『高雅にして感傷的なワルツ』が取り上げられる、ラヴェルのオーケストラ名曲集。で、興味を引くのは、

4月27日、Z世代、マケラによるシベリウスの交響曲、全7曲が出現させる、"シベリウス・ワールド"の稀有な魅力に圧倒された!

フィンランド発の新たな才能、クラウス・マケラと、彼が率いるオスロ・フィルの演奏で、シベリウスの全7曲の交響曲と、未完の8番のフラグメント、そして、交響詩「タピオラ」。 DECCA/4852256 指揮者の音楽の掴み方って、時代性、あるなと... 少し前だと、解析的で、シャープな演奏(あれは"デジタル"な感性だったか... )がカッコよかったけれど、Z世代、マケラの指揮は、よりしなやかで、何物にも捉われないことから生まれる万能さ(スマホネイティブな感性?)が真新しく... そ

4月13日、フランスの感性をそのままに繰り出される、驚くべき、やわらかなマタイ受難曲... バッハの音楽そのものの魅力が解き放たれる!

ラファエル・ピション率いる、フランスのピリオド・アンサンブル、ピグマリオンの合唱と演奏、ユリアン・プレガルディエン(テノール)、ステファヌ・ドゥグー(バス)らが歌う、バッハのマタイ受難曲。 harmonia mundi/HMM902691 中世にまで遡る受難曲の歴史... その伝統とより丁寧に向き合い、実直に聖書を歌い上げたのがバッハ(1685-1750)の受難曲。今となっては、受難曲=バッハというイメージが固定しているけれど、ラッソ(1532-94)、ビクトリア(1548

2月28日、恐ろしいとこ、ヴェルサイユ... 悪意も呑み込んで、悪趣味も芸術に昇華!ラモーの凄さ、思い知る。

巨匠、ウィリアム・クリスティ率いる、レザール・フロリサンの演奏、アルノルト・シェーンベルク合唱団、マルセル・ベークマン(テノール)のタイトル・ロールで、ラモーのオペラ『プラテー』。 harmonia mundi/HAF8905349 1745年、ヴェルサイユで初演されたラモーのバレ・ブフォン『プラテー』。 フランス・オペラならでは、ふんだんに盛り込まれたバレエ・シーンの軽快さに心躍り、歌われるエールもフランスらしいキャッチーさに彩られ、魅惑的!さらには、カエル(=沼の妖精、

12月29日、平均律、第2巻の何と自由なこと!シュタイアー・マッジック!第1巻は脇に置き、第2巻、再認識。

鬼才、アンドレアス・シュタイアーが、1734年製、ヒエロニムス・アルブレヒト・ハスのチェンバロのレプリカで弾く、バッハ、平均律クラヴィーア曲集、第2巻。第1巻を脇に置いての第2巻?! harmonia mundi/HMM902682 平均律といえば、やっぱり、第1巻!なものだから、第2巻から取り上げるシュタイアーに驚かされる... いや、鬼才らしいか... でもって、第1巻を脇に置き、第1巻の続編としてではなく、第2巻、そのものとして聴く新鮮さたるや!というか、第1巻に隠れ