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2月28日、恐ろしいとこ、ヴェルサイユ... 悪意も呑み込んで、悪趣味も芸術に昇華!ラモーの凄さ、思い知る。

巨匠、ウィリアム・クリスティ率いる、レザール・フロリサンの演奏、アルノルト・シェーンベルク合唱団、マルセル・ベークマン(テノール)のタイトル・ロールで、ラモーのオペラ『プラテー』。
harmonia mundi/HAF8905349

1745年、ヴェルサイユで初演されたラモーのバレ・ブフォン『プラテー』。
フランス・オペラならでは、ふんだんに盛り込まれたバレエ・シーンの軽快さに心躍り、歌われるエールもフランスらしいキャッチーさに彩られ、魅惑的!さらには、カエル(=沼の妖精、プラテーたち... )が大合唱と、とにかく楽しいのです。が、そのストーリー、かなりの悪趣味...

あまり器量に恵まれていない(なんせ、カエル... )、プラテーに、アンタ、モテモテだから、神々の王、ジュピターが結婚したいってよ、とみんなで騙し、最後、んなわけないじゃん、と笑うという... バロック・オペラとはいえ、変に現代に突き刺さるストーリー... で、これが王太子の婚礼の出し物だったという... てか、ヴェルサイユ、恐いとこだわ...

しかし、ラモーは、この悪趣味に、作曲家としてのありったけのものをぶつけてくる!だから、妙に充実した音楽が繰り出され、楽しいだけじゃない聴き応え!疾風怒濤を予感させるドラマティックさすら見せて、悪ノリ、コメディーに留まらない音楽的内容、今さらながらに、ラモーの凄さ、思い知る。宮廷の悪意も呑み込んで、悪趣味も芸術に昇華!

で、思い知らせる、巨匠、クリスティの全力投球!思い掛けないパワフルなアプローチ(若い!)に驚かされ、それに応えるレザール・フロリサンがまた漲っている!もちろん、ベークマン(テノール)のプラテーを筆頭に、表情豊かな歌手たちが見事!で、アルノルト・シェーンベルク合唱団が、また盛り上げる!圧倒された!

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