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離島のブラスバンドに所属し、自分らしくいるために必要なことを学べた産業文化祭

2022年11月20日(日)、都会で育った私が島根県の隠岐諸島、海士町という小さな島で演奏をするとは1年前は全く思っていませんでした。

人前で演奏をすることが学生以来でした。
緊張のせいか、イベント当日は午前3時頃に目が覚めてしまいました。寝ようと何度も試みましたが、なかなか寝られなかったため、朝日が昇るまで譜読みをし、イメージトレーニングをしていました。

会場に到着すると、屋台が数多くあり、その中では始まる時間に合わせてみなさんが一生懸命準備されていました。私は、大学の学園祭を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになりました。

大学の学園祭の様子です。


ブラスバンドで出演したイベントは、海士町内で行われる「産業文化祭」という秋の一大イベントです。50年以上も前から行われており、たくさんの展示や団体によるステージ発表などがあります。毎年、多くの人でにぎわいます。


当日は寒くなく、過ごしやすい気温でした。


今年のテーマは、「思いやりを大切に♪みんなでしゃばる!産業文化祭」でした。出店部門はご飯からスイーツまで種類が豊富で、何を買おうか悩むほどでした。迷いに迷って、わたしは海士町に来たときからずっと気になっていた、アヅマ堂ベイクショップさんの焼き菓子をいただきました。おいしかったです!(笑)


音楽を通じて居場所づくりの大切さを実感

私は今年の10月から海士町で暮らしており、島体験という短期インターンシッププログラムに参画しています。この島に来た理由は、島の暮らしになんとなく興味があったからです。将来のことで悩んでいたときにたまたまこの島体験制度を見つけ、応募しました。

私について簡単にご紹介します。
出身:東京都
特技:楽器演奏
趣味:カフェ巡り、音楽鑑賞
現在、海士ブラスバンドに所属していて、メンバーとともにイベントで演奏活動を行っています。

大学を卒業してからなかなか時間がとれず、しばらく音楽から離れた生活を送っていました。しかし、今回、産業文化祭で久しぶりに多くの方の前で演奏ができ、「音楽の楽しさ」を改めて感じることができました。

いくつかの偶然が重なり合ってできた繋がり

海士ブラスバンドに所属することになったはじめのきっかけは、海士町に来てから数日後の出来事です。インターン先を決める事業所説明会の会場に海士ブラスバンドで活動している方がいらっしゃいました。

「好きな楽器演奏が海士町でもできるなら…」と、説明会後に連絡先を交換し、入部を決めました。10月にはじめて島に来たときは自分の楽器を持っていなかったため、途中、用事があり東京に帰ったタイミングで、島に戻るときついでに持ってきました。


中学から大学までの10年間吹奏楽を続けていました。


その後、直近のイベントが約1か月後にあることを知り、ブランクがあった私は、「本番までに間に合うだろうか」と不安に思うこともありました。

しかし、「悩むだけ無駄だし今からできることをやって本番を迎えよう!」という気持ちで、海士町内にある小学校の音楽室で平日と休日に個人練習、全体練習を行いました。

海士ブラスバンドに所属している人は、海士町だけでなく、西ノ島町や知夫村から来る人など住んでいるところは様々です。

住んでいる地域が異なるため、メンバー全員が揃う回数は少ないのですが、学生時代から楽器をやっていたという音楽が好きな人が集まっており、集まったときは時々たわいもない会話をしながら、のんびり活動をしています。中には、未経験で所属しているという人もいます。時間を見つけて日々練習をしているそうです。


練習の帰りに撮った夕日。とてもきれいでした。


迎えた本番当日

産業文化祭での海士ブラスバンドは出演は、オープニングで1番ということもあり、時計の針が開始時刻の9時半に近づくにつれてだんだん心拍数が上がっていきました。けれども、「繰り返し練習してきたんだから大丈夫!」と自分に言い聞かせながら、本番を乗り切りました。

演奏曲:ドラゴンクエスト序曲/大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のメインテーマ


あっという間の6分間でした。無事に産業文化祭のオープニングを飾ることができ、素敵な経験となりました。


海士ブラスバンドの中で唯一人数が多いサックスパートです。


島外から移住してきたという人や島体験生・島留学生もいます。


海士ブラスバンドには現在約30名が所属しており、イベントごとに出られる人を募って演奏します。今年の産業文化祭に出演した人数は10数名でした。


居場所づくりは自分らしくいるために必要なこと

社会人になってから楽器経験がなかったけれど、何回か楽器を吹いているうちにだんだんと感覚が戻ってきたため、学生のときと変わらず、楽しく演奏することができました。

学生時代はひたすら吹奏楽に打ち込む日々を送っていたせいか、仲間と音楽を楽しんでいるときは自分らしく過ごすことができているなと感じました。

そう感じた理由は、日々の生活や仕事などでストレスが溜まることがあっても、1週間の中で時間を忘れて何かに没頭できる環境や楽しい時間があると、それを目標に頑張ることができるため、それにより、気持ちを安定させることができると考えたからです。

大学の時の写真です。年2回の演奏会と企業からいただく依頼演奏などたくさん演奏をする機会があり、部活漬けの毎日でした。


実際に、島に来てから普段の生活を送る上で気分が落ち込むときがありました。そのときは「明日になれば好きなことをできるんだ」と気持ちを切り替えて行動をしていました。

自分がどこにいたとしても、自分らしく過ごすことができる場所で、上手く気持ちをコントロールしながら日々生活をしていくことは、自分にとって大切であるということを実感することができました。

私にとって居場所づくりとは、自分らしくいるために必要なことです。

離島での居場所づくりで感じたことは、積極的に行動することの大切さです。私が海士ブラスバンドに所属するまでにいくつかのきっかけがありました。その一つ一つのきっかけを無駄にせず、自ら行動した結果、海士ブラスバンドの方とつながり、自分らしくいるために必要なことを学ぶことができました。



お知らせ

海士ブラスバンドの告知をさせていただきます!
2022年12月17日(土)11時より海士町隠岐開発総合センター内にある島民ホールにて、「クリスマスコンサート」を行います!
子どもから大人まで楽しめる曲を演奏しますので、ご興味のある方はぜひ、聴きにいらしてください!!お待ちしています♪


最後までお読みいただきありがとうございました!

▼ 島体験の制度についてはこちら!

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