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厳冬の『因幡の白兎』

童話をめくれば、何度読んでも結果は同じ。
現実とは違う。
現実は突発的で、想定外で、意外で、試練的。

そんなキビシイ現実を空想世界に突きつけたら?

たとえば『因幡の白兎』。

白兎が渡るはずの海が厳冬に凍ってしまったら?

白兎は喜ぶかもしれないが、ワニザメは困る。氷に阻まれて出番をなくしてしまう。

「かくなるうえは、陸上でも活動できるワニに大変身!」ワニザメ。
となるのも、突破的で、想定外で、意外で、白兎にとって試練的、と思いきや、白兎は涼しい顔で氷上を滑り抜けていく。

試練に臨んだワニザメの努力も虚しく空まわり。
かたや事態の好転を白兎は享受しているように見える。

「違うよ。ピンチをチャンスに変えたんだ」白兎。

現実は厳しい。

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