真空の空間に放ったように、レールの継ぎ目を通過する列車の車輪が、乾燥し切った音を、経過する時間をからかいながら、長い等間隔で流れている。
カターン コトーン カターン コトーン 。
銀河で乗ったロコモーション。あの時に聞いたのと同じ。
カターン コトーン カターン コトーン 。
今この瞬間ごとが切り取られ、連続写真の先端で、ぼくは列車の通過音を聞いている。
カターン コトーン カターン コトーン 。
「どこまでも一緒だよ」
銀河の果てまで?
ねえ、答えてよ。
カターン コトーン カターン コトーン 。
音は夜通し宙を駆け、朝日が昇ると消えていく。
眠りの終わり。夢は去り、痛みの時間。
希望はいつだって痛みから生まれる。
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