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サンゴを旅した水で仕込む okinawa sango beer

思わず息をのむ。大自然が造り出した荘厳な空間


30万年という途方もなく壮大で、気の遠くなるような時間をかけ、自然が生み出した鍾乳洞がある。
玉泉洞(ぎょくせんどう)
沖縄南部「おきなわワールド」内にある、全長5,000mにも及ぶ日本最大級の洞窟だ。

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玉泉洞へは、長い長い階段を下りて入る。にぎやかな蝉の鳴き声はぷつりと消え、しんしんと海の底へと向かうような不思議な感覚。
地下へと潜り、ふと顔をあげればそこには見たこともない圧巻の世界が広がる。

つらら状に垂れ下がる100万本以上の鍾乳石や、下から立ち昇り鎮座する石筍(せきじゅん)。
サンゴ由来の琉球石灰岩の洞床(ほらどこ)は、水中でみるサンゴ礁のようにきらきらと輝いている。
荘厳であり、神秘的。
まさに東洋一の鍾乳洞という呼び名にふさわしい光景だ。

021_玉泉洞 青の泉 404k

玉泉洞はその長さや鍾乳石の数で有名だが、特筆すべきはその洞窟内に佇む水の美しさだと思う。
深度がわからなくなるほどに透明で、音をすべて飲み込んでいくかのように静寂な水。
その水は洞窟内を進むごとに、様々な姿を見せてくれる。
鍾乳石の先からぽたりぽたりと落ちていたかと思えば、ざあざあと急流のように流れ、またある箇所ではピンと張りつめ、鏡のようにこちらを映し出す。

空から降り落ち、長い年月をかけ鍾乳洞内を旅してきた一滴が、地下を流れる川と出会うその瞬間。
水面には、心が震えるような美しい波紋が現れる。
玉泉洞の中では、この世に存在する様々な水がサンゴ礁を通り静かに調和をしていくのだ。

コーラルウォーター100%を使用した、サンゴビール

玉泉洞内の地下100mには、名水百選の垣花樋川を源泉とした川が流れている。
サンゴでできた琉球石灰岩によりろ過されることで、ミネラルやカルシウムをたっぷり含んだコーラルウォーターの川。

020_玉泉洞 青の泉 12M

その水をくみ上げ醸造した、コーラルウォーター100%のビールがある。
okinawa sango beer
ハブ酒をはじめ沖縄の魅力あふれる酒を作る、南都酒造が手がけるクラフトビールだ。

okinawa sango beerの販売開始は2016年だが、実は南都酒造が手掛けるクラフトビールの歴史は2001年にさかのぼる。もともとは沖縄の方言で「ありがとう」である「にふぇーでーびる」を名前の由来とした、「ニヘデビール」という名前でクラフトビールを醸造していたのが、さらに高品質化を進め15年目の節目に「okinawa sango beer」へとブランド一新をしたのだ。
とにかく「水」にこだわり抜き、原料にこだわる。彼らのビールは麦芽100%で、ホップを贅沢に使用しているため実に風味豊かだ。

010_南都酒造所 3.7M


「酒づくりに魅せられた者たちが、声なき声に耳をすませ、心に届くものづくりに励む」
南都酒造のモットーからもわかるように、okinawa sango beerは沖縄の真心、そして沖縄の恵みを溢れんばかりに感じることができる。

OKINAWA SANGO BEER 「SAISON」

今回ふたりのみでお届けするのは、okinawa sango beerの数量限定商品である「SAISON」だ。
真冬でも気温27度を記録する南国の地、沖縄にて一年中楽しめる一本をという想いで生み出されたセゾン。

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グラスに注ぐとセゾン酵母のいい香りと、フルーティな香りがふわりと漂う。
口に含んでまず感じるのは、オレンジのようなジューシーな味わいと軽やかな酸味。しかしそれらはすうっと消え、爽やかな余韻と苦味が広がる。
味わいはキリっとスッキリ。
さんさんと照り付ける太陽の下、ごくごくと喉を鳴らして飲みたくなる一杯だ。

沖縄の自然を舌で感じる

沖縄を訪れると、自然の持つパワーを再認識する。
魚たちが縦横無人に泳ぎ回る美しい海に、風にたなびく青々とした木々。イキイキと羽を広げる虫たちに、燃えるような夕焼けのグラデーション。そしてサンゴのなかを旅してきた水、コーラルウォーター。
どれもが生命力にあふれ、強く、そして優しい。

そんな沖縄の自然の恵みをokinawa sango beerはボトルの中に閉じこめ、わたしたちのテーブルまで運んでくれる。
旅行に自由に行けないいま、一杯のビールから沖縄を感じ、自然の力強さを存分に堪能してみるのもいいかもしれない。

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飲んで旅する。
舌で現地を味わう。
そして、いつの日かその一本に会いに旅へと出かける。

ビールと共に行く旅では、きっとその土地の新たな一面を見つけることができるに違いない。

文 : 小林加苗

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