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それぞれの父子の形に寄り添う「父の日IPA」

私は、贈れないけれど

毎年、父の日が近づくたびに、少し憂鬱に似た感情を抱く人は少なくないだろう。テレビをつければ、仲むつまじい親子が笑い合い、SNSを開けば、普段は言えないありがとうを添えたプレゼントの写真が投稿されている。

微笑ましいな、素敵だな、そう思う反面、激しい嫉妬心に襲われる自分がいる。そんなことは認めたくはないが、きっと本当は、羨ましくて仕方がないのだろう。

父の日がやってくるたびに思う。特段良好でなくても良い、ただただ普通の親子関係を築きたかった、と。そうすれば、熱い親子ドラマを見て鼻で笑うしか自分を守る方法を思いつかなかったり、父の日にSNSが憂鬱になったりすることもなかった。

きっと、私が遺伝子上の父親に”父の日の贈り物”をすることはこれから先もないだろう。けれど、自分がこんなだからこそ、どこよりも父と子の絆が強い家庭を築きたいと願っている。将来、子どもが父の日にビールなんかを贈るような家庭を。

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そんな将来が訪れるならば、どんなビールが良いだろうか。私はやっぱり、「サンクトガーレン」の父の日シーズン限定醸造の「父の日IPA」が良いなと思う。

父子で惚れ込んだサンフランシスコの地ビール

子どもが成人して、お酒を酌み交わすことが親としての最大の喜びだと言われている。だったら銘柄なんて何でも良いのではと思ってしまうかもしれない。

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しかし、ブルワリー一社一社、ビール一本一本には、歴史や思いが詰まっている。そしてそれはサンクトガーレンも例外ではない。サンクトガーレン誕生においては、父子の絆、関係値なしでは語ることができないのだ。

話は遡ること27年、まだサンクトガーレンの設立前のこと。社長の岩本伸久さんは、父親の会社である「株式会社永興」で飲茶店の業務に携わっていた。

そして1993年、飲茶店のサンフランシスコ出店が決まった。何度も訪問する中で、岩本父子はサンフランシスコの地ビールの美味しさに惚れ込んだ。

岩本父子は、日本でよく飲まれているいわゆるラガービールとは違い、その華やかな香りとしっかりした味わいの地ビールに魅了された。「こんな美味しいものを知らなかったなんて、これまでの人生損していた!」と父子で語り合ったという。

そして、この美味しいビールを日本でも広めたいという思いから、ビールづくりに着手。当時の日本ではまだ小規模のビール醸造が認められていなかったため、サンフランシスコでの製造から始まった。

語られないストーリー

父親の飲茶店の海外進出をきっかけに、サンフランシスコの地ビールに出会い、岩本さんが独立するまでの間の数年間、ビールづくりは父親の経営する飲茶店で行われた。

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その間にも、メディアの揶揄や地ビール解禁、ビールブームの衰退など、多くの苦難が岩本さんに襲い掛かった。

そこにはきっと、これまでも、そしてこれからも語られることのない父子だけの葛藤や喜びがあったはずである。

父子でともに出会い、ともに魅了されたからこそ、二人だけにしかわかり得ないストーリーがある。そしてそれは岩本父子だけでなく、どんな形の父子にも、それがたとえ歪な形であったとしても、存在するはずだ。

どんな形の親子にも寄り添う「父の日IPA」

そんなサンクトガーレンが生み出した、父の日シーズン限定醸造の「父の日IPA」。大量のホップを使用し、ずっしりと重く苦い印象のある一般的なIPAのイメージを覆す、これからの暑い夏にぴったりのビールだ。

ドライで爽快な後味と、滑らかでクリーミーな口当たり。正反対にいるべき味わいが両立しているのが特徴的。

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ドライな関係値の父子も良い、爽やかで爽快な関係も良い、優しく包み込むような関係でも良い。どんな父子の関係も「それはそれで良い」と認めてくれるような一本だ。

今じゃなくて良い、これから作れば良い。

世の中には、さまざまな父子の形がある。そこには笑顔や愛しさで溢れた温かく優しい形もあれば、そもそも存在さえ認め難い形もある。

父の日に何を贈ろうかと胸を弾ませる形もあれば、SNSを開くのさえ億劫になる形もある。もちろん前者が本来あるべきもので、幸せなのだろう。

しかしそれは、必ずしも「今」である必要はない。

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将来、自分自身築きたい形を描いていけば良い。そうして完成した父子関係にはきっと、「父の日IPA」が寄り添ってくれるはずだ。

文:フジタ マナ

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