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日本三大随筆

枕草子、方丈記、徒然草、聞いた事はあるものの違いや特徴はよく知らない。特に方丈記と徒然草は…。という方は少なくないでしょう。という事で今回は日本三大随筆特集です。

時代順に見ていくと、まず枕草子。清少納言。

春はあけぼの…の方です。よく間違われるのが紫式部。同時代に活躍した女流作家という点が被っています。二人共、仲の悪いイメージが強いです。これは双方が互いの日記で相手の事を批判した事からの様です。
例えば清少納言は紫式部の夫の悪口を書き、一方で紫式部も清少納言は漢文の教養がないなどと書いています。しかし二人共、実際に対面した事は一度もないだとか。

次に方丈記、鴨長明。

方丈記はゆく河の流れは…。の冒頭で有名な作品です。作者ね鴨長明は出家の身です。そして方丈記の方丈は方丈庵。つまり鴨長明の家からつけた名前の様です。
実はこの作品を英訳した人物がいます。それがかの有名な、夏目漱石!
漱石は大学では英文科であり英語教師の経験もある方です。本人が英語を習い始めた動機は、これからの世の中で必要なのは英語。と漢文を極めていた頃兄に言われたからだとか。

最後に徒然草、吉田兼好

彼も鴨長明と同じく出家の身です。そんな彼、鎌倉時代当時にラブレターの代筆を任されたりと、俺は便利屋か!といいたくなる様なことをしていた様です。

彼の徒然草は
つれづれなるままに…。という有名な冒頭から始まります。冒頭をいい加減な現代訳にすると、
暇だったから一日中、思いついた事を書いていたらなんだか興奮していた!
という様なもの。
先程、漱石で以後の影響の話を出したので、徒然草も後生の人々がどの様に評価したのかを書いておきます。

「吉田兼好を凌駕する批評家は未だいない」
この吉田兼好を余る程に褒めたのは、日本を代表する批評家、小林秀雄です。

一方で
「徒然草が名高い意味が私には不明です」
この後にも、中学の教科書には向いているけれど…と評価しています。少し批判的な意見を持ったのは、徒然草と同じく教科書の常連さん、芥川龍之介です。

最後にもし興味を持たれたら是非読んで見てください。
現代訳に直されたもの、絵本、漫画などたくさんあります。
秋の夜長に古典随筆を読むのは少し知的な時間が味わえるかもしれません。

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