物語1

実家が茶道教室をしており祖父は日本刀などを扱ったり飾ったりなどと格式高そうな、かなり和テイストなお家出身の者がいる。

その人は一人暮らしをしており、その人の部屋を訪問した。

部屋がかなりヤバい。

という噂に期待と不安を抱きながら部屋へと入っていくと

部屋には

盆栽
模擬刀
小さい兜
掛軸
さらには床にゴザをひいており

和を存分に醸し出していた。

噂通りの部屋だ。期待のほうに転がってよかった。と安堵した。

その人は後輩であるため

先輩、なにか飲みますか?

と言ってくれた。


じゃぁ、頂きます。

と小声で答えた。


するとまさかの茶道セットを取り出し
慣れた手つきでお茶を立て始めた。

私はたまらず正座して息を殺した。


きめ細かい泡と鮮やかな緑がなんとも美しいお茶を「どうぞ。」の言葉と一緒に出された。

私はもちろん茶道のサの字も知らない。


しかしギリギリの知識をふりしぼり
茶碗を2回回して飲んだ。

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