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衣と身体


以前、『食と身体』という題でブログを書きましたが、今日は『衣と身体』です。



食生活ですこやかな身体を育もうという方は増えているように思いますが、衣服の選択で健康と結びつく方は少ないように思います。

あくまで提案ですが、
私自身が体感している『衣と身体』についてのお話です。



□衣服やアクセサリーで変わる緊張と弛緩

イヤリングやピアスは頭、首周りに意識がいきます。
長時間つけていることで、
頭痛として症状が出る方もいますし、
歯ぎしり、歯の食いしばりに繋がる方もいて、
影響の出方は人それぞれです。

頭痛なんかの分かりやすい症状で、
すでにピアスに違和感を抱いていれば
「長時間のピアスが原因かな?」と
本人も気づきやすいのですが、寝ている間の
歯ぎしりや歯の食いしばりの原因のひとつも
普段のアクセサリーにあった。
とは気づきにくいかもしれません。


今時期のマフラーやネックウォーマーは、
首を締めつけます。
季節と身体の関係性もあり、
冬は体熱を逃さぬように身体はキュッと
縮まる季節ではありますが、マフラーなどの
アイテムも緊張をうむ原因のひとつです。

ブレスレットは手首が緊張します。
それに伴って骨盤や足首も緊張する方もいます。
ネックレスは首や胸が緊張します。

じゃあ、
マフラーもアクセサリーもしなきゃいいのか?


実は「緊張すること」は悪ではありません
言い方を変えれば「引き締まること」であり、
緊張と弛緩を波のように繰り返す人間は、
どちらも必要なことなのです。

問題なのは緊張したら緊張しっぱなし
弛緩したら弛緩しっぱなし
つまり身体が、
ニュートラルな状態に戻れなくなることです。

自分がニュートラルな状態から
どのくらい離れているか、
感じられるようになることが大切です。

□衣服のアイテムで重心の安定度が変わる?

これは普段の整体教室でも
実際に生徒さんと一緒に
実践稽古を行う内容ですが、
衣服のアイテムで人の重心の位置が変わります。

◎なにもつけない素の状態で、横から人に押されても倒されないように耐える
◎アクセサリーをつけた状態で、以下同文
◎マフラーを巻いた状態で、以下同文
◎それぞれのパターンで耐えやすさを比べてみる


すると人それぞれ、
耐えやすさがパターンによって違います。

例えば私自身は、首が長くて首の後ろ側の
意識が抜けやすい(弛緩する)癖がありました。

◎なにもない素の状態→まあまあ耐えられる
◎マフラーを巻く→弱くなる
◎マフラーを巻かずにかける→強い

マフラーが首の後ろにふわっとかかっている状態の時が、私の重心が一番安定しました。
弛緩していた首の後ろに、
マフラーがかかることで身体が勝手に
首の後ろを意識してくれた(ほどよく緊張した)からです。

首の後ろの意識が抜けていた時は、
首が前にでがちでしたが、自然と
スッとまっすぐ頭、首が立ちます。
姿勢がスッとすると、
その服装が一番似合っても見えます。

ちなみに、私が首の後ろにかけるだけの
マフラーが一番機能的で美しく立てる
というだけで、
他の生徒さんはまた別の結果になりました。

片耳だけイヤリングをする、
マフラーをむすぶ、
襟なしより襟付きのシャツだと重心が安定する
など、その人の身体によって結果は違ってくるのです。

「身の丈に合ったものを選ぶ」
とは、こうして自分自身の身体をものさしにして衣服を選択していきます。


ですから、アクセサリーやマフラーは
身体を緊張させるからやめましょう!
ということでは決してありません。

緊張しっぱなし、弛緩しっぱなし
という状態は改善するようにして、
アクセサリーや小物アイテムは
身体を緊張させる面もある、と知る
こと。

そして、防寒対策、オシャレを楽しむためも、
自分の身体をものさしにして
身の丈に合った衣服を選択する
こと。

ちなみに、稽古を続けていたら、
基本的に重心は常に安定しますので、
アクセサリーや小物アイテムがあろうとなかろうと、姿勢に影響を及ぼすことは少なくなっていきます。


□ゴムをやめてみる-ゴム紐症候群-

『ゴム紐症候群』というのをご存知でしょうか?

ゴム素材や、リブ編みなどの
伸び縮みする性質をもつものを纏うことで
身体が締め付けられることでさまざまな身体の不調をきたすことです。
ゴムだけでなく、スキニーパンツやタイツ、
ヒートテック、ガードルなどの
締めつけの強い衣服も同じです。


先にお話したように
緊張、弛緩を交互に繰り返すことなく
「緊張しっぱなし、弛緩しっぱなし」
が身体に支障をきたす状態
です。


既製品の多くは
ウェストにゴムが入っていて、
特に下着はそんなゴムがしっかり入ったものを
一日中身につけている人がほとんどです。

ゴム紐症候群の詳細について
ぜひ参考にして頂きたいブログがこちらです。

カラダ活動家 ギボンヌさんの
ぎぼんの杜

私自身、筆者のギボンヌさんには何度か
お会いしたことがあり、
これほど真摯に身体の変化の記録をとり
発信している方は貴重だなと感じています。

以前、
ウェストは紐のみのオシャレふんどしや、
夏用もんぺ、冬用ケープコートを作って頂き
愛用しています。
大変快適です。


紐を結ぶ。という手間を省くためにも
衣服や下着にゴムが導入されましたが、
紐を結ぶ。というわずかな手間と時間を
短縮したいという余裕のない
心と生活の在り方も日本人が昔から
大きく変わった点の1つではないでしょうか。


とはいえ、
ボディラインが見えるような衣服が
オシャレとして好きな方もいるでしょうし、
お仕事柄、制服を変えられないといった方もいるでしょう。


ギボンヌさんのように
◎靴下をやめる
◎衣服のゴムをやめる
◎下着のゴムをやめる

以上をお試しするにはまだハードルが高く感じる。という方も

◎ゴム紐症候群を意識してゴムなし、
    orなるべくソフトなゴム製品を選ぶ
◎締めつけの強い衣服を避ける
◎長時間身につけない
ex.家に着いたらすぐに着替えてゴムから解放される時間を意識的に長く確保する


を心掛けてみて下さい。


□衣服素材と汗

日本の衣服は今や多くの製品に
ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維が
急速に普及しています。

化学繊維の素材によって、
シルクのようなツヤ、光沢がうまれたり、
ヨレにくくなったり、
安価であったりと良い面もありますが、

綿や麻などの自然素材に比べて
汗を吸着しにくく、通気性が悪いといった
マイナス面もあります。

汗が冷えると
汗の内攻という現象がうまれます。

外気にあたって単純に冷えるより、
汗を冷やして身体が冷えることで、
汗がかきにくくなったり、
老廃物が出にくくなり様々な不調をきたします。

野口整体では発汗の異常は
胸椎5番にあらわれます。
技術をご存知の方はパカパカ操法や
愉氣をして発汗を促します。

内攻していた汗が再び出るようになると、
ベタベタしていることに気がつきます。
サウナや温泉などで汗をかくよりも
運動による汗のほうが内攻した汗が
出やすいように臨床経験上感じます。

また、日常的に
◎汗をかいたらすぐにふく。
◎自然素材の衣服を意識して纏う。

を意識しましょう。

生き物の身体は繊細です。
小さなことの積み重ねで
身体への結果は大きく変わります。


□まとめ

いかがでしょうか。
今回は『衣と身体』についてお話しました。

もちろん、
衣服を見直したからご自身の不調が
必ず改善されるという訳ではありません。

ただ、衣食住や、日常生活が
ご自身の身体と密接に繋がっていることは
たしかなことです。

なんらかの不調があり、
今も改善していないという方は、
衣服を見直してみる。という小さな実験を
まずは1、2週間から、
ぜひご自身の身体で試してみてはいかがでしょうか。

愛用するsousou地下足袋、裁付パンツ。
地下足袋は足指の踏ん張りがきき、疲れにくい。
黒い地下足袋は3年目、何度も洗っていますが
まだまだ綺麗で長持ちしています。

地下足袋は中国生産がほとんどの中、sousouは国産。
sousouのテキスタイルをデザインする
脇阪克ニさんはフィンランドのマリメッコ社で
働いていた経験もおありでカラフルかつ日本的な
デザインが私も大好きです。
sousouのスタッフ様、
いつも本当にありがとうございます。


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