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人事院勧告

令和3年8月10日(火曜日)、東京オリンピック終了の陰に隠れて『令和3年人事院勧告』が発令されました。

人事院勧告とは、国家公務員の一般職員に対して、給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告することです。

国家公務員に準ずる形の地方公務員は、この勧告を受けて遅れて同様の対応を取られることが多いようです。

今回の主な勧告内容は、『一般職員期末手当の0.15ヶ月分引き下げ』でした。

簡単にいえば、ボーナスカットですね。

0.15ヶ月分の引き下げは、給与1万円に対して1,500円下がる計算になりますが、実際は肩書によって加算があるので、最低で1,500円下がるというのが正しいかもしれません。

月給20万円の一般職員で、3万円以上ボーナスが下がることになります。

ボーナスが貰えるだけ良いだろうと思われる方が大半だと思いますが、公務員の収入が減ると、間接的に経済全体への影響を及ぼしてしまいます。

公務員は、安定した給与と賞与(ボーナス)があるため、比較的にローンを組みやすく、銀行の審査も短期間で通過できます。
安定した収入の見込める公務員が、マイカーローンやマイホームローン等のローンを組んでくれることで、銀行は確実に金利による収益を上げることが出来るからです。

また、公務員の一般職員は、農業や製造業と異なり、自ら物を作って売るというようなことはなく、ただひたすら消費活動を繰り返してくれる貴重な財源でもあります。

今回の人事院勧告での公務員のボーナスカットは、民間のボーナス水準を参考に引き下げられたものですが、その影響は消費活動の抑制にもつながります。

『ない袖は振れぬ』と言いますが、収入が減るのですから、ちょっとした贅沢を控えてしまうのではないでしょうか。

そのちょっとした贅沢には、通常なら身近な商店街で購入していた食料品や日用品の購入を激安スーパー等に切り替えたり、外食の回数を少なくしたりすることも含まれてくると思われます。

公務員は不景気に強く、好景気時には恩恵を得られないことは良く知られていますが、不景気の時に公務員の給与や賞与をカットすることは、果たして経済界に良い影響を与えるのか疑問に感じます。

政治家の方々や経済ジャーナリストとしてTV出演される方々は、私たち一般国民の支持を得るために公務員を減らすべきだとか、不景気の時にボーナスが出るのはおかしいとおっしゃられる方もお見受けしますが、巡り巡って、その影響が私たちへの及ぶことに、いっさい触れないのはいかがなものかとも思います。

最近は、Youtubeをはじめとして、簡単に情報を発信できる場面がある反面、インフルエンサーと呼ばれる方々の影響を受け、自分で考えることを諦めてしまっている方々も多くなってきているように感じます。

そういう、私もやはりネットから得られる情報で、右往左往している一人にすぎません。

私の知り合いの方に、新型コロナウイルス対策担当を急に任された公務員の方がいらっしゃいます。

ご自身の元々の業務に加え、併任という形をとられている方々が多いらしく、その多くは、月の時間外労働が過労死ラインを超える100時間以上と、闇に包まれた部分の報道は少ないですよね。

マスコミの方々には、新規感染者数の発表も大事かもしれませんが、その裏で頑張られている医療従事者はもちろんですが、保健所や地方自治体の職員の方々への労いの報道も手厚くしても良いのではと感じてしまいました。

今では、Youtubeのライブ配信で、各地のクラスター発生などの情報をすぐに知ることができますが、報道各社の質問が個人を特定することや、感情的で幼稚な質問をする記者も見かける場面が少なくありません。

ネットが発達した今、新聞やTVニュースの質の低下が目立ってきています。
マスコミ関係の方々と一般人との方々の区別がつくくらいには、頑張ってほしいものです。

話題がそれてしまいましたが、公務員の給与や賞与について、自分自身にどういう影響が出るのか、ほんの少しだけでも考えるきっかけとなってくれると幸いです。